本研究の目的は、自閉スペクトラム症(Autism Spectrum Disorders: ASD)の女性のための自己マネージメントのプログラムを作ることである。そのために、本研究では、ASDの女性の特性を、ASDの男性との比較を通して明らかにした。ASD特性を調べる検査以外に、高次の「心の理論」課題を用い、課題達成までの方略の性差を明らかにした。男性は言語性能力を用いた方略をとり、女性がより定型発達に近い対人コミュニケーションを用いた方略をとることが示唆された。この結果に基づき、ASDの女性が、自ら感情に気づき表現できる、また、適応行動を身につけられる、自己マネジメント・プログラムを開発した。
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