研究課題/領域番号 |
26381335
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研究機関 | 聖徳大学 |
研究代表者 |
腰川 一惠 聖徳大学, 児童学部, 准教授 (70406742)
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研究分担者 |
河村 久 聖徳大学, 児童学部, 教授 (80532762)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 特別支援教育コーディネーター / 役割遂行 / 学校要因 / コーディネーター要因 |
研究実績の概要 |
首都圏の公立小・中学校の特別支援教育コーディネーターを対象に調査を行い、コーディネーター役割遂行の認識を把握することを目的とした。特別支援教育コーディネーター106名(小学校73名、中学校33名)を対象として、役割遂行に関する調査項目14項目、コーディネータの考える課題を自由記述により回答を求めた。役割遂行に関する調査項目について因子分析した結果、「個別指導計画検討」「専門家活用」「情報共有」「円満運営」の4因子が抽出された。因子分析の結果について、コーディネーターの所属する学校要因として、小中校種別、校内のコーディネーター体制(1人体制、2人体制)、特別支援学級や通級指導教室有無、児童生徒数別(500人未満、500人以上)およびコーディネーター要因であるコーディネーター年齢別(40歳未満、40歳以上)、コーディネーター職種(教諭、養護教諭)に分けて、得点を求め、比較を行った。 その結果、コーディネーターの学校要因では、小学校のほうが中学校より「個別指導計画」や「専門家活用」「情報共有」の得点が有意に高い、「情報共有」「円満運営」では、児童生徒数500人未満の方が500人以上よりも得点が高かった。このことから、学校種や児童生徒数が多いことが、コーディネーターの役割遂行に影響を及ぼすことが示された。コーディネーター要因では、「情報共有」が教諭より養護教諭の得点が高く、養護教諭は児童生徒の情報を得やすく、情報共有につながることが考えられた。また、コーディネーターが自校の課題であると考えていることを自由記述してもらった結果、校内委員会や指導方法の課題が挙げられ、校内委員会や体制は整えられている一方で、校内委員会の運営や具体的なコーディネーターの動きについて今後さらに検討が求められていることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
小・中学校の特別支援教育コーディネーターの役割遂行の実態と課題が調査結果から明らかにすることができ、次に行うコーディネーター類型化の基礎的データを得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
特別支援教育コーディネーターの実践に関する調査を規模を拡大して行い、実践状況を類型化する。また、コーディネーターに対するカンファレンス研修を実施している地域のコーディネーターを対象にして、どのような課題があり、研修により何を学んでいるのかについてインタビュー調査を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度にも特別支援教育コーディネーターへの調査が行われたが、その結果を受けてさらに詳細な調査研究を次年度に行う予定があるため、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
特別支援教育コーディネーターへの調査を実施する予定があり、さらに、特別支援教育コーディネーターのカンファレンス研修を行っている地域への実地調査およびインタビュー調査を行う予定である。
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