研究課題/領域番号 |
26381339
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研究機関 | 相模女子大学 |
研究代表者 |
尾崎 康子 相模女子大学, 人間社会学部, 教授 (20401797)
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研究分担者 |
Toth Gabor 相模女子大学, 学芸学部, 教授 (00448680)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 手指の巧緻性 / アセスメント / 円塗り課題 / 線引き課題 / 発達障害 / 発達性協調運動障害 / 発達支援教材 / 描画ワークブック |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,手先の不器用さを調べる視覚-運動機能アセスメントを開発し,手先の不器用さを改善するための発達支援教材を作成することである。 そこで,2歳から5歳の315名の幼児を対象に,円塗り課題,線つなぎ課題,線引き課題を行い,それらの描画課題の正確さを調べ,幼児期の手先の器用さに関する定型発達の発達段階を検討した。その結果,いずれの描画課題においても,年長になるにつれて発達段階の上昇が認められてた。さらに,それらを点数化することにより,定型発達の標準領域,早熟領域,晩熟領域を分けることができ,最終的には,手先の器用さの発達年齢も求めることができた。同じ課題を自閉症スペクトラム障害や知的障害の幼児に行ったところ,いずれの子どもも晩熟領域内にあった。 以上のエビデンスを得たことから,これらの描画課題で構成された「描画動作テスト」を開発した。現在,出版会社で刊行するための準備をしている。 そして,「描画動作テスト」で,子どもの発達段階をアセスメントし,その段階によってどのような支援をすればよいかが示されている発達支援教材を開発した。それは,描画をすることによって,手先の器用さをトレーニングすることを目的に作成された。具体的には,ぬりえあそび,線あそび,なぞり遊び,自由画のレッスンからなり,合計100の描画課題が掲載されている。それらは,手先の器用さの低いレベルから高いレベルに並べられており,順番に実施していくことにより,最終的には,円滑な書字動作ができることを目指している。この発達支援教材も,現在出版会社から刊行するための準備を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は,元来,3年計画であったが,研究の進行が遅れているため,1年間延長した。その理由は,開発したアセスメントと発達支援教材を出版社から刊行する計画をたてていたが,内容の精査に時間がかかったり,出版会社との打合せが長期にわたったためである。
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今後の研究の推進方策 |
アセスメントと発達支援教材の刊行にいたるまでに時間がかかってしまったが,前述したように,現在刊行に向けた準備が順調に進んでおり,今年の8月前後に刊行すべく取り組んでいる。 刊行された折には,幼児を対象に発達支援教材を実施し,その支援効果を調べる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究成果の刊行が遅れたため。
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次年度使用額の使用計画 |
研究成果を刊行する。そして,それについて特殊教育学会大会で発表する。
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