読字障害児において音韻処理や意味処理の困難さを他の認知機能を活用することによって代償的に読み処理を進めることは、文に含まれる意味を理解するという目的を達成する上で重要である。本研究では、初めにエピソードバッファと従来のワーキングメモリモデルとの関連について検討を行い、独立した構成要素であることを確認した。その上で、読字障害児を対象とした有意味単語の読み処理における介入効果について、エピソードバッファを加えたワーキングメモリモデルに基づいて検討を行い、日本語のひらがな単語読みにおける代償的方略の形成要因について検討した。
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