研究課題
1.引き続き、学童の視空間認知、言語能力、記憶、自動化能力が数概念、計算技能へおよぼす影響と、計算障害と読み書き障害の併存状況を調べた。小学校1~6年生の、計算その他の学習困難を主訴とする正常知能の児童40名あまりを対象に、WISCⅣ、特異的発達障害 診断・治療のための実践ガイドライン(診断と治療社)の計算課題、ひらがな読字課題、数の量的把握、小学生のための読み書きスクリーニング検査(STRAW)、PVT-R絵画語い発達検査(日本文化科学社)、聴覚記憶、Rey’s Auditory-Verbal Learning Test(AVLT)、Rapid Automatized Naming Test(RAN)、視覚関連基礎スキルの広範囲アセスメント(WAVES)、 読みの包括的領域別アセスメント(CARD)を行い、基本的なアカデミックスキルと関連認知の検討をした。極小未熟児を対象としたデータ収集を継続していたが、知能低下を伴う場合が多く統計処理可能な数に達していない。今後の課題として検討を続ける予定である。今年度は、数概念の関与を明らかにする目的で、独自に数量の認識検査を作成し、検討項目に加えた。数概念の認知と計算スキルの関連性を明らかにする。2.通常学級に在籍する小学生を対象に、日本LD学会で開発中のSKAIP(Screening Kit for Academic Intervention Program)の計算検査を用い、数的事実と計算手続きの速度と正確性を測定し、標準学力検査NRTの算数成績との相関を検討した。乗算、除算を加えた結果をAOCCN2017で発表する。3.発達障害診療医師の学習障害に関する啓蒙のためにLD研修会を開催し、発達障害児における計算障害の実態と診療のヒントを講義した。
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