聴覚障害のある大学生及び聴者の大学生を対象に、認知処理能力及び基礎的学力を個別式で測定できるKABC-Ⅱを実施し、聴覚障害学生の言語力や学力を支える認知情報処理機能及び学力に影響を及ぼす障害特性要因を検討した。結果、聴覚障害は、「継次処理」や言語性の「短期記憶」に影響を及ぼす障害特性要因ではないかと推察された。また、本研究対象の聴覚障害学生は、幼少期より言語や生活体験を視覚化或いはシナリオ化することにより事象を記憶し、学修を積み重ねた結果、抽象的推論や論理思考に弱さがあるが、聴者の学生と同等の基礎的言語力の習得がなされたと考えられた。
|