本研究は,カチオン性脂質分子とアニオン性色素分子を用い,静的・動的自己組織化の融合による階層的な高次構造を固体基板上に構築し,得られた高比表面積の色素ネットワーク構造を活かした光励起エネルギー移動界面の創成について検討した.炭素数16のジアルキルアンモニウム塩のスピンキャスト膜上にアニオン性シアニン色素の水溶液を滴下するだけで,サンゴ礁様の超構造体が自発的に形成された.この超構造体においてシアニン色素はJ会合しており,その高効率な光励起エネルギー移動により生命分子の高感度な蛍光増感検出に成功した.
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