研究課題
本研究では、低次元ナノ物質で顕在化する量子効果を利用し、新奇なエネルギー変換プロセスの物理機構の解明とそれを用いた高効率・高機能エネルギー変換材料の提案を目的とする。平成27年度に引き続き、熱電変換に注力した。特に、熱電材料として期待されているフォスフォレンの熱電特性を密度汎関数理論に基づく第一原理計算により調べた。単層・多層ともに材料を引張ることで熱電特性が飛躍的に増加することを明らかにし、その結果を国際会議と学術誌に発表した。また、原子層材料として電子物性や光学特性など様々な特性注目されている遷移金属ダイカルコゲナイドの圧電性に注目し、バルクにおいて既存の圧電材料に匹敵するような圧電特性を有することを第一原理計算によって明らかにした。この結果については、現在論文投稿中である。研究機関を通じて、当初の目的にある低次元ナノ物質における新奇エネルギー変換プロセスについて、多くの知見が得られた。基礎物性の解明により、数多くの論文発表や招待講演を行っただけでなく、実用化を見据え特許出願も行ったことは、ナノ物質を利用した新奇エネルギー変換技術の基盤構築に資する成果だと考えている。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 謝辞記載あり 5件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
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