研究課題
本課題では、電荷の変化を電流変化として検出するためのナノカーボン材料の成長制御と、ウイルスの検出部位である糖鎖の最適化を行った。材料プロセスの最適化では、デバイス作製時のプラズマプロセスの最適化を行った。ゲート酸化膜の欠陥を避ける等のために、チャネル領域以外の配列制御していないナノカーボン層を除去する必要がある。酸素プラズマによるエッチングと転写法による除去を試みて、酸素プラズマエッチングで6桁程度ゲートリーク電流を減少させることが出来、転写法ではさらに1/3になった。その結果、p型のゲート電圧-ドレイン電流特性が得られた。また、金属特性の素子では水素エッチングにより電気伝導率が向上した。その際、ノイズ解析から電極界面でのコンタクトの改善が出来たことが分かった。これらの結果は学会発表を行うと共に、論文投稿中である。糖鎖分子の最適化として、電気的検出では分子サイズが重要となるため、Sialylglycopeptide (SGP)と高分子であるシアロ糖鎖ポリマーを比較した。シアロ糖鎖ポリマーとHAタンパク質の反応に対する吸光度を評価することで、ヒト型受容体、鳥型受容体への結合性を評価し、鳥型、ヒト型に応じて、反応性が高い糖鎖の配位が異なることが分かった。一方、SGPでは、その差の判別が難しかった。この結果を、学会発表した。また、原子間力顕微鏡を用いて凝集等を検討すると共に、高さの検討を行い、デバイス化に関する議論を行った結果を論文発表した。また、自然界で分離された鳥およびヒトインフルエンザウイルス(日本国内分離株、及び、実際に鳥からヒトへ伝播している国での分離株)の反応特異性を評価した。その過程で、エジプトやインドネシアで分離された高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N1)の中に、ヒト型、鳥型レセプターシアロ糖鎖の両方へ結合性をもつ変異ウイルス株を見いだした。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 4件、 招待講演 1件)
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