| 研究課題/領域番号 |
26390037
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| 研究機関 | 東京工業大学 |
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研究代表者 |
松谷 晃宏 東京工業大学, 技術部, 技術専門員 (40397047)
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| 研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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| キーワード | 単一細胞分離 / マイクロプロセス / バイオチップ / 流路レス凝集法 |
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| 研究実績の概要 |
従来の生化学的技術な細胞分析技術は集団の分析でるために多くの細胞から得られた平均値のみを対象としていた。この方法は細胞の個性を無視した分析であるため，細胞を単一分離して個々の細胞の振る舞いに着目した研究を行うことにより，創薬や細胞工学の研究に新しい展開を期待することができる。本研究は，酵母や大腸菌などのμｍオーダーの微生物細胞における単一細胞操作技術を開発するものである。本研究では，微生物細胞を微粒子にみたて，クラドニ図形のような自動的なパターン形成技術の確立を目指すものである。この技術が実現できれば，微生物細胞の濃度が低い細胞懸濁液でも局所的に細胞を凝集させて濃度の高い箇所を作ることができる。また，振動を利用して凝集させることから，従来技術のようなマイクロ流路を必要としない，流路レスで凝集位置の変更も可能な技術となる。
これまでに，単一細胞分離構造への細胞導入のための凝集位置決め技術について基礎的な実験を行った。空気中ではクラドニパターンは容易に形成されたが，酵母懸濁液を用いたクラドニパターンの形成は容易ではなく，表面が平滑なシリコンウエハを用いて，(2, 0)-(0, 2)モードのパターンを得ることができた。さらに効率的な流路レスパターン形成を行うため，垂直加振による液体定在波を利用した凝集実験を行い，透明材料の容器内において酵母懸濁液の酵母の流路レス凝集を実現した。平成27年度は，流路レス凝集法の秀周波数依存性，加振波形依存性について明らかにした。また，垂直加振による流路レス凝集法によるマイクロ囲いへの単一細胞分離とサイズ分離を実現した。さらに，傾向観察により本方法で細胞ごとの個性を判別できることを確認した。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでに，単一細胞分離構造への細胞導入のための凝集位置決め技術について基礎的な実験を行っている。空気中ではクラドニパターンは容易に形成されたが，酵母懸濁液を用いたクラドニパターンの形成は容易ではなく，表面が平滑なシリコンウエハを用いて，(2, 0)-(0, 2)モードのパターンを得られている。さらに効率的な流路レスパターン形成を行うため，垂直加振による液体定在波を利用した凝集実験を行い，透明材料の容器内において酵母懸濁液の酵母の流路レス凝集を実現している。さらに，流路レス凝集法の秀周波数依存性，加振波形依存性について明らかにし，垂直加振による流路レス凝集法によるマイクロ囲いへの単一細胞分離とサイズ分離を実現している。また，蛍光顕微鏡観察により，本方法で分離した細胞ごとに個性を判別できることを確認している。
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| 今後の研究の推進方策 |
28年度は，パターンを形成させる基板表面上に半導体プロセスを用いてマイクロレンズアレイを製作し，裏面よりコリメートされたレーザ光を照射し集光位置に粒子をトラップし，流路レス凝集による方法と併用して微粒子および細胞の輸送の制御方法を実現する予定である。
本研究の粒子の自動的なパターン形成技術を用いて細胞を輸送および凝集させ，その凝集位置にマイクロ囲いやセンサーなどをあらかじめ配置することにより，任意の位置での細胞の単一分離やセンシングなどが“流路レス”基板上で実現させ，基板表面に製作したマイクロレンズアレイと半導体レーザを用いてレーザートラップの技術を併用して，細菌細胞の輸送分離技術確立の基礎とするための研究を推進する。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
27年度の成果発表の一部として論文投稿を予定しているが，準備の都合上投稿が28年度前半となるために次年度使用額として必要となったため。
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| 次年度使用額の使用計画 |
投稿予定の英文校閲費用および論文掲載料に充てる。
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