ニッケルMEMS共振器を利用してナノ結晶が及ぼす機械的エネルギ損失機構の評価を行うため、ニッケル共振器の試作を行った。しかし、試作したデバイスは、電極間の短絡によって十分に動作しなかった。一方、この研究と並行して、空間ギャップ形成を必要としないpnダイオード構造を利用した新規共振器の研究開発を進めた。試作した20 MHzリング型共振器を評価した結果、pnダイオードを利用したアクチュエータの面内駆動の原理実証に世界で初めて成功した。このpnダイオード共振器はシリコンのみからなっているため、ICと集積化することが容易である。現在、この共振器を用いてエネルギ損失の評価を進めている。
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