研究課題/領域番号 |
26390042
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研究機関 | 鶴岡工業高等専門学校 |
研究代表者 |
田中 浩 鶴岡工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (60609957)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | グリーンプロセス / 高速エッチング / 平滑エッチング / 極低濃度エッチング液 / 界面活性剤作用 |
研究実績の概要 |
MEMS加工の基本であるシリコン異方性ウエットエッチングのグリーンプロセス化(液の極低濃度化,常温加工化),及び従来結晶異方性に基づく所定の角度・形状のみの加工の自由形状加工化を目指す姿として,極低濃度のエッチング液(KOH,TMAH)の加工特性及び極微量の界面活性剤の影響の把握を行った. その結果,従来詳細に明らかにされていない,1wt%および5wt%KOH,TMAH水溶液でのエッチング加工特性(エッチング速度,表面粗さ,表面形態)の詳細を把握できた. 特に5wt%KOH水溶液において,極微量の非イオン系界面活性剤(1ppb~0.1wt%)を添加した時のエッチング加工特性を系統的に把握できた.上記の実験により,極低濃度のKOH,TMAH水溶液においても,従来用いられていた20~30wt%のエッチング液と変わらないエッチング速度が得られる場合があることがわかった.加えて,極微量の界面活性剤が劇的にエッチング加工特性に影響を及ぼし,100ppbという極微量の界面活性剤を加えるだけで,凹凸のあるエッチング面から,平滑なエッチング面に変化することがわかった. また,エッチング中のシリコン厚みをリアルタイムで把握する装置を導入した.エッチング液濃度依存性,あるいは,界面活性剤依存性を一度の連続実験により把握できる実験体制を整えることができ,極低濃度KOH,TMAH水溶液でのエッチングモニタリング実験を開始した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
極低濃度エッチング液でのエッチング加工特性を着実に把握できた.また,界面活性剤を添加した実験においてはppbレベルの界面活性剤が大きく影響することを明確にできた. また.エッチング加工速度をリアルタイムに把握できるエッチングモニタリング装置を計画通りに導入し,立ち上げ,エッチング実験を開始した.
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今後の研究の推進方策 |
更に極低濃度KOH,TMAH水溶液でのエッチング加工特性を,エッチングモニタリング装置を活用して,系統的に把握する.系統的なデータ把握により,グリーンプロセスでの問題点が浮かび上がってきており,極低濃度エッチング作用メカニズムの解析を行い,高速,平滑にエッチング可能な方法を検討する.
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次年度使用額が生じた理由 |
残額に相当する必要不可欠な消耗品が生じなかったため,次年度使用額とした.
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次年度使用額の使用計画 |
必要不可欠な消耗品購入に充填する予定である.
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