ヘリウムイオン顕微鏡は、加速したヘリウムイオンを薄膜サンプルに~2.5Åのビーム径で照射し、観察と加工を同時に行うことができる。He+は軽く、照射部周囲へのダメージが集束イオンビームよりも小さいので、薄膜試料の加工とは相性が良い。そこで当提案者らは、グラフェンにヘリウムイオンをドーズすることで、グラフェンの金属-絶縁体転移をnmスケールで誘起することに世界で初めて成功した。これらはグラフェン中にヘリウムイオンによって形成された欠陥が、グラフェンを部分的にアンダーゾン絶縁体に転移させた結果である。この手法を応用して、デバイス構造をグラフェン上を直接描画することができる。
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