研究成果の概要 |
多電子ダイナミクスを記述する厳密理論であるMCTDHF法の問題点は電子数Nに対して計算コストが指数関数的に増大する点である.先行研究ではこの問題を克服するためにTD-CASSCF法と呼ぶ新しい方法を開発した. 本研究ではより柔軟に計算コストと計算精度を調整することが可能なTD-ORMAS法と呼ぶ手法を開発し, 従来不可能だった多電子系の精確なシミュレーションを可能にした. 3次元ハミルトニアンに対するプログラム実装でも世界を先導し, 近赤外高強度パルス照射下の He, Be, Ne 原子, および水分子の高次高調波発生の精密計算に初めて成功した.
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