研究課題/領域番号 |
26390085
|
研究機関 | 和歌山大学 |
研究代表者 |
野村 孝徳 和歌山大学, システム工学部, 教授 (80222206)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | ディジタルホログラフィ / 位相シフト / 多次元情報取得 / 波面分割 / スペックル / カラーカメラ |
研究実績の概要 |
単一露光一般化位相シフト法では,参照光として用いるスペックルの平均直径が再生像の画質を左右する.これまでに当該手法に適した参照光の性質を空間周波数帯域幅の観点から明らかにした.参照光の空間帯域幅積をWr,撮像素子の記録可能な最大空間周波数帯域幅をWsとすると,Wr=Wsのときが最適であることを明らかにしてきた. 本年度はこの知見をもとに,単一露光一般化位相シフト法によるカラー(RGB)ホログラフィの研究をおこなった.光源の波長がRGBで異なること,ベイヤー配列のカラーカメラを用いると各波長の画素の並びが飛び飛びになることから,参照光のスペックル直径はモノクロカメラとは異なることを明らかにした. さらに,単一露光一般化位相シフト法を時分割一般化位相シフト法として応用できることを見出し,一般的に波長依存性をもつ位相シフトデバイスを用いて,多波長(本研究ではRGBの3波長)の位相シフト法が実現可能なことを示し,実験による検証をおこなった.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
単一露光一般化位相シフト法を用いたカラーディジタルホログラフィでは,3板式カラーカメラとベイヤー配列カラーカメラの両者における参照光に適したスペックルの平均直径を明らかにし,数値シミュレーションおよび光学実験(3板式カラーカメラはモノクロカメラによる模擬光学実験)により,それの検証をおこなった.現時点ではスペックル直径の厳密な規範を得るまでには至っていない. 単一露光一般化位相シフト法を時分割一般化位相シフト法に適用したディジタルホログラフィでは,RGB各色のホログラフィの記録再生に成功し,カラー物体の再生像が得られることを実験的に示している.このことは当初の予定には含まれておらず,新しい成果である.このことから(1)当初の計画以上に進展していると判断した.
|
今後の研究の推進方策 |
カラーカメラを用いてホログラムを記録する際は,波長と撮像素子の波長特性のによるクロストークが生じる.このクロストークはホログラムの信号対雑音比低下の主因となる.今後はこのクロストークを数学的に除去し,信号対雑音比の向上を図る.さらに,RGBに限定しない真の分光画像の取得にも着手する.
|