本研究では、実用的であるシリコン雪崩フォトダイオード(Si-APD)を用いた超高効率単一光子検出器の実現を狙ったものである。開発した開放終端ゲート動作型受動クエンチング回路(OT-GPQC)によって、高い量子効率を有するSi-APDは過剰電圧37 V以上のゲートモードで動作された。ここで、ゲート幅はSi-APDの応答速度程度の4 nsとした。そのような高電圧ゲート動作によって、これまで不完全であった雪崩降伏確率は99%まで改善され、雑音の著しい増加も避けられた。その結果、波長780nmにおいて試験Si-APDの量子効率にほぼ等しい85.2%の単一光子検出効率を達成した。
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