高齢化社会において健康状態を維持しQOLの向上を目指すためには、病気を未然に防ぐ技術やその兆候を早期に診断する技術の確立が急がれている。光を用いたイメージング技術は、高い空間分解能と高い時間分解能を併せ持つ。本研究では、生体深部のイメージング技術の確立を目的に、広視野かつ深さ分解能を有するマルチコントラスト顕微鏡を提案し、実証を進めた。LEDアレイと液晶プロジェクターを光源とし、光源の点灯パターンを制御することにより、マルチコントラスト像(明視野像、暗視野像、差分位相コントラスト像)を取得することができた。 液晶プロジェクターを光源とし、光源の空間コヒーレンスを変えることによる深さの識別を試み、ガラス内部に加工された構造変化のマルチコントラスト像を取得し、屈折率変化、散乱性ダメージの分類をすることができた。白色LED光源を用いて、明視野観察から得られた像のRGB解析から、細胞の分光特性を取得した。また、液晶チューナブルフィルターにより細胞の分光画像を取得した。植物細胞のマルチコントラスト像と自家蛍光像を取得し、細胞の機能情報を得ることができた。波長940nmのLEDアレイを用い、近赤外領域LEDアレイによるマルチコントラスト像を取得した。LEDアレイ顕微鏡のコンパクト化では、LEDアレイの点灯パターンを制御し、マルチコントラスト像をスマートフォンにより撮影し、システムのコンパクトを行った。
|