本研究では、プラズマ医療における細胞応答の分子機構の解明に重要であるDNA損傷をターゲットにした。5'末端を蛍光物質で、3'末端を消光物質で修飾した、ステムループ構造をとりうるMolecular beacon (MB)を利用したDNA切断の迅速検出方法を考案した。プラズマジェットをMB溶液に照射し、照射後の溶液の蛍光強度を測定したところ、MBのステム部位が切断され、それまで近接していた蛍光物質と消光物質が分離し、蛍光増大が生じた。また人工細胞モデル(ベシクル)にMBを内封させてプラズマ照射しても蛍光増大を示したが、ベシクル崩壊は起きなかった。DNA切断因子の膜透過性が示された。
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