研究課題
本年度は、Al2O3、SrTiO3結晶基板及びシリカグラスの上にPLD(パルスレーザー蒸着)法を用いて高品質なn-型AZO薄膜を成膜しました。TEM画像から、STOとAl2O3上の薄膜の典型的な柱状成長が実証されています。シリカ上で成長した薄膜においてのみ、ランダムに配向した粒子による薄い自然緩衝層が示されました。Tdep=400℃では、シリカ上に堆積した薄膜は、Al2O3やSTO上に堆積した薄膜と比べると、常にZT=(σS2)T/κ(性能指数)の値がより高いことが示されており、T =600 Kでは、(ZT)silica=0.045、(ZT)STO=0.03、(ZT)Al2O3=0.04でした。 AZO/Al2O3膜は、より大きなエピタキシャル歪み(εcaxis約18%)とより大きな転位濃度N約1011cm-2を有しており、一方AZO/STOの場合、εcaxis約6%、εaaxis約2%、N約1010cm-2となっています。Nとともにσは減少し、Sは増加する一方、室温での熱伝導率Tは、κSTO=6.5 W/mKおよびκAl2O3=6.90 W/mKであり類似していたと報告されているので、これにより異なる単結晶上におけるσS2(力率)の挙動を説明しています。非晶質アモルファスシリカの場合には、非晶質層の結晶粒界による散乱が、熱伝導率:κsilica=4.89 W/m Kを減少させる追加的寄与因子として作用するものと考えています。フォノン散乱体としてのナノサイズのナノ粒子またはナノ層の挿入によるナノ工学手法を、熱伝導率低減を目的として試行しています。PLD法によってAZO/AZO+Y2O3ナノ粒子多層膜及びAZO/ZO多層膜をAl2O3基盤の上に調製された。k(MULTI/Y2O3有/Al2O3)=7.32 W/mK、k(MULTI/ZO有/Al2O3)=8.47 W/mK報告されているので、多層膜の熱伝導率は下がらなかった。
3: やや遅れている
当初の26年度の計画で、STO基盤の上にnー型AZOとp-型Ca3Co4O9単層薄膜及び多層薄膜の成膜は予定だった。しかし、3つの基板の影響を比較するために、Al2O3とシリカグラスの上にも成膜をされました。それから、n-型AZO多層薄膜とp-型Ca3Co4O9について実験条件の確立完全にされていなかった。
27年度の計画① PLD(パルスレーザー蒸着)法を用いてn-型AZOナノ欠陥導入多層薄膜(Al2O3、SrTiO3結晶基板、シリカグラス及びポリイミドの上に)の創製及び特性評価。② PLD(パルスレーザー蒸着)法を用いてp-型Ca3Co4O9単層薄膜(Al2O3、SrTiO3結晶基板、シリカグラス及びポリイミドの上に)の創製及び特性評価。③ MOD(有機金属酸塩塗布)法を用いてナノ欠陥導入n-型AZO層薄膜とp-型Ca3Co4O9層薄膜(Al2O3、SrTiO3結晶基板、シリカグラス及びポリイミドの上に)の創製及び特性評価。
FY26でポリイミドの購入がしなかった。
ポリイミドの購入する。
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Chapter 8 in "Oxide Thin Films, Multilayers and Nanocomposite", Springer
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