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2016 年度 実績報告書

側面X線照射方式を用いた低被曝線量X線CT用高感度X線センサの研究開発

研究課題

研究課題/領域番号 26390104
研究機関九州工業大学

研究代表者

有吉 哲也  九州工業大学, マイクロ化総合技術センター, 助教 (60432738)

研究分担者 有馬 裕  九州工業大学, マイクロ化総合技術センター, 教授 (10325582)
馬場 昭好  九州工業大学, マイクロ化総合技術センター, 准教授 (80304872)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードX線センサー / トレンチ構造型フォトダイオード / 低被曝線量 / X線CT
研究実績の概要

医療用X線CTにおいては人体へのX線被曝量を低減するために、X線センサーの高感度化が求められている。X線の検出効率を高めるにはX線センサーの深さをその透過長(シリコンでは数十mm)と同程度に設計する必要がある。放射線検出器としての性能指標であるキャリア寿命はシリコンの方がCdTeと比べて3桁高く、エネルギー分解能、時間分解能ともに10倍以上の優位性が見込まれる。安価で加工が容易なシリコン材料にてX線を効率よく検出するために、トレンチ構造型シリコンX線フォトダイオードを採用・試作し、信号変換効率を評価した。
X線センサーは、抵抗率が1500±500Ωcm、厚さが550μmのP型FZウエハ基板を用いて作製した。トレンチ型フォトダイオードの深さは300μm、センサーの長さは22.4mmとした。各トレンチ間とチップ裏面にアノード電極を設置することでウエハ内の大部分を空乏層化することで生成電荷の収集効率を上げることができる。試作センサーの長さ方向(側面方向)からX線を照射し、X線エネルギーの電気信号への入射X線-電流変換効率を評価した。X線管の管電圧80kV、トレンチ型フォトダイオードへの印加逆バイアス電圧25Vにおいて、変換効率は83.8%であった。今回試作したX線センサーは、そのトレンチ空洞部の体積がセンサーの6.17%であり、センサーの実効体積は93.8%程度である。また、X線入射方向に対するセンサー長は22.6mmであり、管電圧80kVのX線スペクトルの場合、シリコンの実効エネルギー吸収率は約89.3%と見積もられるので、93.8%×89.3%=83.8%が変換効率の最大値と見積もられる。測定結果の、管電圧80kV、逆バイアス電圧25Vにおける変換効率83.8%とほぼ同じ値であることから本方式のX線センサーは極めて高い入射X線-電流変換効率であることが確認できた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] X-ray-to-current signal conversion characteristics of trench-structured photodiodes for direct-conversion-type silicon X-ray sensor2017

    • 著者名/発表者名
      T. Ariyoshi, S. Funaki, K. Sakamoto, A. Baba, and Y. Arima
    • 雑誌名

      Japanese Journal of Applied Physics

      巻: 56 ページ: 04CH06-1~5

    • DOI

      10.7567/JJAP.56.04CH06

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] Sensitivity Properties of a Direct Conversion Silicon X-ray Sensor with Trench-Structured Photodiodes2016

    • 著者名/発表者名
      T.Ariyoshi, S.Funaki, K.Sakamoto, A.Baba, and Y.Arima
    • 学会等名
      2016 International Conference on Solid State Devices and Materials
    • 発表場所
      つくば国際会議場
    • 年月日
      2016-09-27 – 2016-09-27
    • 国際学会

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公開日: 2018-01-16  

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