本研究では試料を透過した回折X線を測定する透過回折を利用したモデルフリーな構造解析法の確立を目指した。実験では薄膜化した結晶が必要であるため、湿式法による試料薄膜化装置を製作した。ミクロン精度の試料位置調整装置を製作、回折実験装置に組み込み実験環境を整備した。表面由来のロッド状の散乱をホログラムとみなすモデルフリー解析手法を採用した。より精密な構造決定のために最小自乗法による構造最適化プログラムも開発・整備した。表面に生成する低次元構造や埋もれた界面からのX線回折データを大型放射光施設SPring-8で取得、モデルフリー構造解析を行い同手法の検証材料となる表面原子像を得ることができた。
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