研究課題/領域番号 |
26400022
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研究機関 | 国際基督教大学 |
研究代表者 |
鈴木 寛 国際基督教大学, 教養学部, 教授 (10135767)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 代数的組合せ論 / アソシエーションスキーム / 距離正則グラフ / Terwilliger 代数 / グラフの表現論 / 有限幾何 |
研究実績の概要 |
研究計画通り,Completely Regular Clique Graph (CRCG) の構造を持つ,距離正則グラフとして,古典的な幾何に属するグラフのうち,Thin Condition を満たすものの特徴付けを中心に研究を行った。 1. CRCG を Regular Incidence Structure の Collinearity Graph としてとらえ,それを Clique C に関して 0-thin であることにより特徴づけた結果などを含む論文を,査読付国際研究誌に投稿していたが、一回の修正後、出版された。 2.Q-DRG で Thin CRCG の構造をもつものの、Incidence Graph の T-algebra の構造について、石川工業高等専門学校の研究者と協力して決定しようとしている。とくに、 Incidence Graph が Thin となる条件について論文を作成中である。 3. Thin Q-DRG で知られている無限系列は、すべてCRCG の構造をもつことは、すでに確認できたが、一般の DRG の無限系列について、知られているDRG が CRCG の構造をもつかどうかを決定するための理論がほぼできたので、すべてについて決定をはじめた。 4. 愛知教育大学の研究者と、任意のtについて有限体条のtデザインが存在するかの問題についてセミナーを行った。また、京都および、筑波での学会に出席をし、専門知識の交換を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1. 設定をより一般的にする有効性から、基本的な理論の構築が必要となり、整備ができた。 2. より広いクラスのDRGについて、CRCG かどうかを検討する問題が、古典的な問題と深く結びついているだけではなく、ここまで構築してきた理論が有効に適用できることが判明し、見通しが良くなった。 3. ある程度狭いクラスのDRGの分類を目標としていたが、準備していた方法では解決することが困難であることが判明し、当初の計画の修正を行った。
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今後の研究の推進方策 |
研究の中心課題は同じであるが,解決手法に関しては,Incidence Geometry の手法も用い,かつ協力関係も広げて,問題の解決をはかる。 1. 知られている無限系列のDRGが CRCG の構造をもつかどうか、またその構造は何種類存在するかを決定し、論文を作成する。 2. 普遍被服の問題から、25年以上前に考えていた問題の解決の糸口が得られた。最近のこの分野の進展をも利用して、有限体上のt-デザインが一般のtに関して存在するかという問題の解決を目指す。 3. CRCG の問題が、 Incidence Geometry, t-design, DAHA の表現論など広い分野に関連していることもわかったので、特別研究期間のメリットを生かして、各地の研究者との議論を通して、研究を発展させるとともに、国内外での研究成果の公開を計画する。
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次年度使用額が生じた理由 |
基金として,5年間を通して利用することを計画している。より広い分野に関係していることが判明し、研究成果の発表などよりも、基本的な理論を整理することが重要だと思われたので、極力、本務校にとどまって、研究を行った。
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次年度使用額の使用計画 |
2016年度は、特別研究期間であり,一年間集中して研究の遂行が可能であるので,その時に,旅費を中心に,基金を利用する予定である。
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