本研究の目的は、Completely Regular Clique Graph (CRCG) の構造を持つ、距離正則グラフ (DRG) として、古典的な幾何に属するグラフのうち、Thin Condition を満たすものを特徴付けることであった。 第一に、距離正則グラフ (DRG) は、Thin でないものについても研究を広げることができ、殆どの知られている直径の大きな距離正則グラフ(DRG)は、Completely Regular Clique Graph (CRCG) の構造を持ちつことが、2016年度に示され、査読付き国際研究誌に投稿していたが、今年度2回の修正を経て、出版された。 第二に、Completely Regular Clique Graph (CRCG) は、最低限の幾何学的実現をもち、基本的な正則性をもつグラフで、CRCG にどの程度 の代数的条件である Thin Condition を付加することによって古典的な幾何に属するグラフが得られ るかを考察する問題と認識していたが、最短の既約閉路をその Incidence Graph のなかで、とらえなおすることができるようになり、その普遍被覆から古典的な幾何に属するグラフが得られることの基本理論と、例を集めることができ、この結果をまとめて、査読付き国際研究誌に投稿した。現在修正の最終段階で出版される予定である。 第三に、知られている Q-DRG は、殆どが古典的パラメ タを持つが、古典的パラメタを持たないものは、Antipodal な被覆グラフをもつ。すなわち、古典的 パラメタをもつ DRG は、ある幾何構造を保つ被覆のなかで普遍被覆となっていることが確認できた。
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