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2014 年度 実施状況報告書

高次元のdual hyperovalと関連する有限体上の関数

研究課題

研究課題/領域番号 26400029
研究機関香川高等専門学校

研究代表者

谷口 浩朗  香川高等専門学校, 一般教育科, 教授 (60370037)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワード高次元双対超卵形 / 有限射影空間 / 代数的組合せ論
研究実績の概要

以下のことを証明・決定することができた。。
(1)単連結な高次元双対超卵形(dimensional dual hyperoval, DHO)の例に関して、今までは「限られたタイプの数種類のもの」、しかも「生成空間の次元が非常に低いもの」、しか単連結であることが証明されていなかった。今回、私の構成した族(Discrete Mathematics 337,2014に掲載済)に属するDHOである 「S_c(l,GF(2 r)」 が、ある簡単な条件を満たせば単連結という性質を満たすことを見いだした。このことより、非常に多くの非同型な、しかも生成空間の次元が高い、単連結なDHOができることが証明された。
さらに、この単連結なDHOに対してDempwolff-EdelによるDHOのExtensionという方法を用いると、さらに次元の高い生成空間をもつ、非同型なDHOの例が非常に多く構成できることがわかった。(対称で双線形なDHOに対して、2段階までExtensionという方法が適用できることに注意。)上記は現在論文として投稿中である。
(2)また、c>1の場合、自己同型群が決定できた。この証明は細かい点で非常に微妙な議論を必要とする。c=1の場合とc>1の場合では、自己同型群はある点で大きな違いがあるがあることがわかった。
(3)「S_c(l,GF(2 r))」に属する2つのDHO達「S_c(l_1,GF(2 {r_1})」と「S_c(l_2,GF(2 {r_2})」が、整数「l_1,l_2」と「r_1,r_2」に関するある簡単な条件を満たせば、互いに被覆する(被覆される)という関係があることもわかった。(以上は現在論文にまとめている。)

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

単連結な高次元双対超卵形(DHO)の例の構成について、今回「非常に多くの非同型なしかも生成空間の次元が高い単連結なDHOができることが証明された(研究実績の欄参照)」ので、それまで知られていた成果と比較すると今回大きな進展があったということができる。それで、全般的にはおおむね順調に進展していると考えられる。この証明の中で使われた方法を発展させることにより、いくつかの新しい成果を得ることができると考えている。とくにDempwolffとEdelによるExtensionの方法を非常に具体的に書き表す考え方(とくに「対称で双線形なDHO」のExtensionの双線形写像を初めて具体的に書き表した考え方)、およびDHOの被覆を具体的に書き表して考察する方法(単連結性の証明に使用した方法)、などは(現在色々試みている)別種の問題に適用できるのではないかと考えられる。

今後の研究の推進方策

私の構成した高次元双対超卵形(DHO)の族(Discrete Mathematics 337,2014に掲載済)は非常にユニークな性質を持っていることがわかってきた。たとえば、族に属するDHO達の「被覆する(被覆される)の関係」や「自己同型群の関係」など、それまで知られていたDHO達からは見いだすことのできなかったおもしろい性質を見ることができた。この族をさらに調べていくことは、さらに興味深い性質を発見することにつながると考えられるので、意味のあることであると考えている。まずこの方向の研究を進める。さらに、これらを証明する過程で得られた新しい視点や方法を、現在色々試みている別種の問題に適用する方向でも研究を進める。たとえば、「双線形なDHOの不変被覆DHOは、また双線形なDHOか?」「「あるDHOを被覆するDHOのExtension」と「あるDHOのExtensionを被覆するDHO」の間の関係は?」などを解決しようと色々試みている。これらは(有限体上の関数の探求まで込めた)次の大きなステップに進むためにどうしても解決しておくことが必要な問題達である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] New dimensional dual hyperovals, which are not quotients of the classical dual hyperovals2014

    • 著者名/発表者名
      Hiroaki Taniguchi
    • 雑誌名

      Discrete Mathematics

      巻: 337 ページ: 65,75

    • DOI

      http://dx.doi.org/10.1016/j.disc.2014.08.004

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 単連結な高次元dual hyperovalの例2015

    • 著者名/発表者名
      谷口浩朗
    • 学会等名
      平成 26 年度 日本数学会 中国・四国支部例会
    • 発表場所
      徳島大学
    • 年月日
      2015-01-25 – 2015-01-25
  • [学会発表] Some examples of simply connected dual hyperovals2015

    • 著者名/発表者名
      谷口浩朗
    • 学会等名
      熊本組合せ論研究集会–代数的デザイン論とその周辺–
    • 発表場所
      熊本大学
    • 年月日
      2015-01-09 – 2015-01-11
  • [学会発表] 高次元のdual hyperovalについて2014

    • 著者名/発表者名
      谷口浩朗
    • 学会等名
      Workshop on Galois point and related topics
    • 発表場所
      滋賀大学大津サテライトプラザ
    • 年月日
      2014-09-13 – 2014-09-15
  • [学会発表] On Covering maps of Bilinear Dual Hyperovals2014

    • 著者名/発表者名
      Hiroaki Taniguchi
    • 学会等名
      Combinatorics 2014
    • 発表場所
      Gaeta, Italy
    • 年月日
      2014-07-01 – 2014-07-06

URL: 

公開日: 2016-05-27  

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