研究実績の概要 |
本年度得られた結果は以下の(1)(2)である。 (1)昨年度発見した「3個の半体から構成される高次元双対超卵形(以下DHOと記載)」の構成方法を拡張し任意有限個の半体からDHOを構成する方法を発見した。この構成方法は「可換な半体を用いるパート」と「必ずしも可換で有る必要がない半体を用いるパート」の両方が必要でまた「可換な半体のパートの番号付けに対応した必ずしも可換で有る必要がないパートの番号付け」が自然に定まっている。さらに、得られたDHOの同型問題を以下の特別な場合に解決した。 1(「可換な半体のパート」の半体達が互いにイソトピックでない場合)2つのDHOが同型となる必要十分条件は、2つのDHOの「可換な半体のパート」達の間にうまく対応をつけると対応する可換な半体達がイソトピックでありかつ「必ずしも可換でない半体のパート」についても(その対応により)イソトピックまたは反イソトピック(積の順を逆にするとイソトピック)になっていることである。2(「可換で有る必要がない半体のパート」の半体達がすべて非可換である場合)2つのDHOが同型となる必要十分条件は、対応する「非可換な半体のパート」において半体達が互いにイソトピックまたは反イソトピックであることである。 1.については国際学会Fq13で発表した。2.についてはドイツのIrseeにおける有限幾何研究集会で発表し現在投稿中である。 (2)特別なbent関数B(x,y)=xyを用いた2次的なAPN関数を構成した。このbent関数B(x,y)を用いた構成方法は以前に2例が知られていたが、ある有限体上においてはこれまで知られていた2例と本質的に異なるということをコンピュータを用いて示した。また同様の構成方法で(非可換な)半体が構成できることも示した。現在投稿中である。
|