研究課題/領域番号 |
26400030
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
古屋 淳 浜松医科大学, 医学部, 教授 (10413890)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ディリクレ級数 / 平均値定理 / 約数問題 / 円問題 / 生成関数の微分化 / 近似関数等式 |
研究実績の概要 |
当該年度は「ディリクレ級数の積、特にディリクレ級数の微分とゼータ関数の積を生成関数とする数論的関数の和についての恒等式・漸近公式」および「リーマン・ゼータ関数の微分から生じる種々の関数の近似関数等式」の2つのテーマを重点的に取り扱った。
第1のテーマは昨年度の研究から引き続いて取り組んだ課題である。過年度においては当該数論的関数の和の恒等式・漸近公式の導出を行ったが、本年度では、円問題・一般約数問題における生成関数の微分化に対する誤差項の上からの評価の導出を重点的に取り組んだ。それらを導くためには、古典論で用いられている指数対の理論を適用し得られているものである。それらの結果は、古典的な問題における誤差項の評価を含むものになっている。
また、第2のテーマは本年度主に取り組んだ課題である。具体的には、リーマン・ゼータ関数ζ(s) の二乗の近似関数等式についての結果を ζ(s) の微分から導出される種々の関数に適用し、リーマン・ゼータ関数の場合において得られている既存の結果の累次物を得ることに成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度からの引き続きの研究、また、今年度から始めた新たなる研究ともに最終的な結果およびおおむねの結果が得られている状況である。当該年度においてはこれらの研究成果の発表を行っているが、これらの研究から継続して設定される研究・さらに設定や結果を拡張した研究の設定をも行える状況であるのが現状である。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題における主テーマとなっている「ディリクレ級数の微分、特に、それを生成関数とする場合における誤差項の種々の解析的性質の考察」において、一般的設定における誤差項の導出、および、条件を絞り込んでの具体例の提示、その具体化における古典論の並列するような解析的結果の導出は過年度・当該年度に既に結果を得ている。その中において、平均値定理についてはまだ最終結果には到達はできていないのが現状である。それを踏まえて、平均値定理、特に、円問題や一般約数問題の微分化における二乗平均値公式の導出に引き続き取り組んで行きたい。その方法は古典論における手法の適用の可能性の考察が主のものになるが、その可能性、また、そのために必要な新理論の構築等の研究を考えていくことにする。
また、多重級数の微分化・その微分化と既存の結果との関連についての研究も行っていくことも計画したい。
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