研究実績の概要 |
平成26年度と平成27年度に引き続き、階数1のA型アフィンリー代数のレベルkの可積分表現のなす頂点作用素代数におけるハイゼンベルグ部分代数によるコミュタントとして定義されるパラフェルミオン頂点作用素代数K(sl_2,k)の既約加群を用いて、コードに付随する頂点作用素代数を構成すること、およびその既約加群を分類することに関して研究を行った。 平成27年度では、階数1のA型アフィンリー代数のレベルkの可積分表現のなす頂点作用素代数を変形することにより、階数k-1のA型ルート格子の2乗ノルムを2倍した格子から定義される頂点作用素代数の内部にパラフェルミオン頂点作用素代数K(sl_2,k)を埋め込むことにより、K(sl_2,k)のk(k+1)/2個の既約加群すべてを、ある種の有理格子に付随する一般化された頂点代数の内部に具体的に構成した。 平成28年度では、平成27年度に得られた結果を用いて、偶格子から定義される頂点作用素代数におけるある種の部分代数によるコミュタントとして、コードに付随する頂点作用素代数を具体的に構成した。さらに、コードに付随する頂点作用素代数の既約加群を、有理格子に付随する一般化された頂点代数の内部に構成した。 平成28年度に得られた研究成果を、東京女子大学で開催された国際研究集会(2017年3月21日)で発表した。また関連する結果を、首都大学東京で開催された日本数学会(2017年3月25日)で発表した。このほか、長年の課題であったパラフェルミオン頂点作用素代数K(sl_2,k)とW代数との関係を解明した研究成果をプレプリントとして公表した。
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