研究実績の概要 |
片側有界な複体についてその余有限性の特徴づけを行った. さらに国内外の最新の関連論文について, その内容の分析を行った. 途中結果であるが, 本年度得られた成果を国内の研究会で口頭発表をおこなった. 現在, 非有界な複体についてその余有限性の特徴づけをする方向性を持って研究を続行している. 余有限性の特徴づけを非有界な複体に拡張する場合, Hartshorne の補題を修正する必要があると予想された. 精査が必要であるが改良された補題が得られたので, 当該年度中にてその成果について講演を行った. アファイン双対などの双対性に関して, 片側有界な複体については専門家の間ではよく知られていると考えられている. 非有界な複体についても, その双対性は知られているとされる. 一方で, 本研究期間初年度から文献を調査してきているがその証明について見つけることができなかった. その直接的な証明について, 本研究助成により独自に証明が得られた. さらに, その証明を与えていく過程で, コホモロジーの有限性に関する性質についても調べることができた. 今後, なにかしらの研究会にて発表を予定している. 局所コホモロジー加群の自己準同型環の構造についてこれまで調べてきた. 特に, その自己準同型環がネーター環になるかどうかという問題について, 非ネーター性を与える例について継続して調べていく予定である. 本研究期間の当初から調べてきているが, 現時点で面白い例を見つけることができていない状態である. もちろんそのような例は存在しないのかもしれない. ネーター・非ネーター性を与える本質的な性質について考えながら調査する必要がある. 本質的な性質を見つけることを含めて, 今後の課題である. 1つの方法として, 実際にコンピューターソフトを導入して調べていくことを考えている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
以前, 投稿した本研究課題に関する論文について, 雑誌編集者からレスポンスがあった. 現時点では. 掲載が決定したわけではないが, 進展があったということは報告できる. 現在, 修正を加え再投稿し終えた状況である. 査読にかなりの時間がかかっている.
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今後の研究の推進方策 |
投稿論文について, その拡張を考えている. 特に, 余有限複体の特徴づけに関連して, 有界でない複体についても同様の結果が成り立つか考察していく. また, 局所コホモロジー加群に関する具体例についても並行して計算をしていく. 例えば, 高さ番目の局所コホモロジー加群の自己準同型加群は, 実は可換環となるが, そのネーター性などの性質を与える例について調べて行きたい.
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は, 図書費と旅費に経費を当てた. 謝金については支出しないことになった. 節約を旨に, 工夫をしながら使途を決定したので, 余剰金が発生したと考えられる. 一方で, 次年度使用額については, 10千円未満であることは付記する.
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次年度使用額の使用計画 |
次年度は研究集会「Workshop in Nara University of Education 2016 on Commutative algebra, Banach algebras (preserver problem), Hypergroups and their related topics」を計画している. そこで本科学研究費の一部を使用する予定である. 前年度からの繰越金については (10千円未満), 主に当日の文具費に当てる予定である.
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