研究課題/領域番号 |
26400048
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
宮崎 誓 熊本大学, 大学院先端科学研究部(理), 教授 (90229831)
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研究分担者 |
岡田 拓三 佐賀大学, 理工学部, 准教授 (20547012)
寺井 直樹 岡山大学, 自然科学研究科, 教授 (90259862)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 射影多様体 / Castelnuovo-Mumford正則量 / シジジー / ベクトル束 |
研究実績の概要 |
射影空間における斉次多項式の零点で定義される代数多様体について、カステルヌボー・マンフォード正則量に関連する話題について研究を進めました。まず、多項式環上の次数付き加群の中間次元のコホモロジーについての不変量である k-ブックスバウム性をKoszulコホモロジーの観点から研究し、次数付き加群の構造を研究することです。このことは、射影多様体の分類に応用されます。そこで、線形ブックスバウム・標準ブックスバウムといういくつかの定義を試行錯誤しながら、正則量の上限を記述するというLe Tuan Hoa による予想を目指して、2019年に発表した論文とその後の研究報告を早稲田大学での研究集会で発表しました。次に、カステルヌボー・マンフォード正則量の手法をベクトル束のホロックス判定法への応用する研究を進めました。射影空間上のベクトル束が中間次元のコホモロジーを持たないならば、直線束の直和に同型になる、というホロックス判定法はよく知られています。よく知られている証明は、有名なOkonek-Schneider-Spindlerの教科書に書かれている次元に関する帰納法です。可換環論ではアウスランダー・ブックスバウムの定理に対応しています。本研究では、ホロックスのオリジナルな証明に立ち返り、Walter(1996), Malaspina-Rao(2015)のよる温故知新の証明を見直し、ベクトル束のなす導来圏を考え、加群の表現との対応を用いてベクトル束の分裂問題を研究しました。射影空間上のブックスバウム束の構造定理については、後藤、Mei Chu Changの別証明として、ホロックス判定法のオリジナルな方法に基づいた証明を考え、この研究を多重射影空間上にも応用しました。これは高知大学での研究集会で発表しました。
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