研究課題/領域番号 |
26400053
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
渡辺 敬一 日本大学, 文理学部, 研究員 (10087083)
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研究分担者 |
吉田 健一 日本大学, 文理学部, 教授 (80240802)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 特異点 / 局所環 / 整閉イデアル / F-threshold / Hilbert-Kunz 重複度 / イデアルの core / Rees 環 |
研究実績の概要 |
今年度は、特に次の2つのテーマを深く研究した。 1. 2次元正規特異点の整閉イデアルの性質。前年度に pg-ideal の定義を確立し、このクラスのイデアルの様々な良い性質を得ていたが、今年度は pg-ideal の core との関係、Rees 環や Hilbert 多項式との関係で新しい発見があり、2つの論文にまとめた。(奥間智弘、吉田健一両氏との共同研究)これらの成果を 2015 年7月のアメリカ数学会の夏の学校 (Utah 大学), 11月の可換環論シンポジウム, 2016年3月のヴェトナムでの国際研究集会などに於いて発表した。 2. 正標数の手法を用いた特異点の研究に関しては、Hilbert-Kunz 重複度、F-hreshold (F-閾値) などを中心に研究を進めている。Kansas 大学の Heilong Dao 氏との共同研究 "Some computations of generalized Hilbert-Kunz functions and Multiplicity" が Proceedings of American Mathematical Society に掲載予定である。 また、F-threshold に関して、2015 年に Barcelona で行われた Workshop に於いて講演を行った。以上のように、研究成果は着々と得られている。 研究費の使途は主に国内、海外への旅費だが、Utah, Barcelona, 国内諸学会への 出張旅費など、研究連絡に大変効果的に使用されている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「研究実績の概要」で書いたように、着実に成果を挙げているし、研究成果の論文も前年度の成果が電子出版され(近日中に出版)、今年度の研究成果が2点掲載予定 (accepted) になっている。また、口頭発表も海外で3件、国内で3件行って、好評を得ている。
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今後の研究の推進方策 |
今後も研究を継続するが、2年後の研究終了に向かい、特に 1. pg-ideal 分解、一般のイデアルの core の決定 2. F-threshold, Hilbert-Kunz 重複度の更なる進展 を目指して研究を継続する。
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次年度使用額が生じた理由 |
使用予定であった、国際研究集会の旅費について、他からの援助が得られたため、 使用額が減額され、余剰が生じた。また、来年度に複数の海外出張が予定されているため、今年度の使用をやや控えて、来年度に使うようにした。
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次年度使用額の使用計画 |
2016年 Michigan 大学における可換環論の国際研究集会、ヴェトナムにおける 国際研究集会、Essen 大学の J. Herzog 教授との共同研究のための海外旅費などに使用する予定である。
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