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2016 年度 実施状況報告書

ポアソン構造に付随するコホモロジー群の研究

研究課題

研究課題/領域番号 26400063
研究機関秋田大学

研究代表者

三上 健太郎  秋田大学, 名誉教授, 名誉教授 (70006592)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワードポアソン構造 / ホモロジー群 / コホモロジー群 / ポアソン括弧積 / オイラー特性類 / シンプレクティック構造
研究実績の概要

ポアソン構造のコホモロジー群の研究の端緒になったシンプレクティック線形空間のシンプレクティック群に関し不変な形式的ハミルトンベクトル場のなすリー環のコホモロジー群の研究に関し2次元の場合, ウエイト22まで完全に調べが済んでいて, ウエイト24の場合, そのオイラー特性数がゼロでないが幾つになるか研究を継続中である。次数6と7の間の余境界作用素の階数が判明するとウエイト24の研究が完結する。計算開始が2015年3月4日で扱う個数は2887個である。これまで計算を済ませたものは1749個(全体の60.6%)であり, 2016年度の計算実績を参考に単純予測すると完了時は2018年10月頃である。
一方シンプレクティックでないポアソン構造に関する形式的ハミルトンベクトル場のなすリー環のコホモロジー群の研究は, arXiv:1511.00199 を基に, 2016年4月25日には東北大学(仙台)のTohoku Forum for Creativity での Workshop on Development of new methods in Symplectic Geometry: に於いて「GF cohomology of Poisson structures」 の招待講演を, また2016年7月4-8日の ETH Zurich(Switzerland) での Poisson 2016 に於いて, Weighted cohomology of homogeneous Poisson structures なる題でポスター発表, 2016年10月21日には東京大学玉原国際セミナーハウスで開催された「葉層構造と微分同相群 2016」に於いて「Weighted (co)homology groups of homogeneous Poisson structures」なる招待講演を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

シンプレクティック線形空間のシンプレクティック群について不変な形式的ハミルトンベクトル場のなすリー環のコホモロジー群の研究に関し2次元の場合, ウエイト22まで完全に調べが済んでいて, ウエイト24の場合, そのオイラー特性数がゼロでないがベッチ数の分布がどうなるか研究を継続中である。次数6と7の間の余境界作用素の階数が判明するとウエイト24のベッチ数の分布の研究が完結する。計算開始が2015年3月4日で扱う個数は2887個である。これまで計算を済ませたものは1749個(全体の60.6%)であり, 2016年度に済ませた個数は772個です。この値を参考に完了時を単純予測すると1年半後の2018年10月頃です。
一方シンプレクティックでないポアソン構造に関する形式的ハミルトンベクトル場のなすリー環のコホモロジー群の研究は, arXiv:1511.00199 を皮切りに今年度は2016年4月25日に Tohoku Forum for Creativity での Workshop on Development of new methods in Symplectic Geometry: JSPS Bilateral joint Research Project between Belgium and Japan に於ける講演, 2016年7月4-8日の ETH Zurich(Switzerland) での Poisson 2016 に於けるポスター発表, 更に, 2016年10月21日には東京大学玉原国際セミナーハウスで開催された「葉層構造と微分同相群 2016 (Foliations and Diffeomorphism Groups 2016)」に於いて50分講演を行った。この結果は投稿準備中である。

今後の研究の推進方策

2次元シンプレクティック線形空間のウエイト24のシンプレクティック群不変なゲルファント・フックスコホモロジー群の次数6と7の間の階数計算は現在のコンピューター環境では後1年半を要すると予想される。計算アルゴリズムの最適化の改良は限界に有ると思われるので, 新規に高性能のマシンを投入することが状況を劇的に改善する方法と思われる。一般シンプレクティック線形空間のシンプレクティック群不変なコホモロジー群の研究と一般次元線形空間の同次ポアソン(シンプレクティックとは限らぬ)構造に関するウエイトによる有限次元化の元でのコホモロジー群の研究の延長上で, 一般次元トーラス上のシンプレクティック構造やポアソン構造に対し, 線形空間の場合の多項式代数の代わりをなす周期関数の族の特定の研究に着手したところである。ウエイトの概念も自然に導入でき, 有限化も可能で2次元トーラスの場合, 1次ベッチ数(the first Betti number)に関して興味深い結果を得ている。今後4次元, 6次元, ... 更には, 同次ポアソン構造とその(co)homology群に対し,研究を推進する。

次年度使用額が生じた理由

現在2台のワークステーションで2015年3月から2887項目に及ぶ大きな計算を実行していて, 現在60パーセントが済んでいる。現有マシンでは後1年半かかるので, さらなる高性能ワークステーションの入手を望み金額が嵩むので次年度に繰り越しを期した。
2年毎に開催されるポアソン幾何学の世界最大の研究集会 Poisson 2016 には当研究の旅費を充当したが, 基本的にさらなる高性能ワークステーションの入手をめざし次年度に繰り越しを期して全体に節約に努めた。国内の研究会とか学会参加等に関しては他研究機関からの支援等もあり節約によって当該研究に支障はなかった。

次年度使用額の使用計画

上記理由の欄で説明したとおりさらなる高性能ワークステーションの入手を計画中である。なお, 既存の2台のワークステーションは MS Windows がオペレーションシステムとしてバンドルされているものを, 当方でリナックス(Linux)オペレーションシステムを更にインストールして, 必要な計算はリナックスオペレーションシステム上で行っている。現在, 予算の範囲内で可能な限り高仕様のワークステーションとして, MS Windows なしの機種また別会社のコンピュータシステムを多角的に検討する計画である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2016

すべて 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件)

  • [学会発表] Weighted (co)homology groups of homogeneous Poisson structures2016

    • 著者名/発表者名
      三上健太郎
    • 学会等名
      葉層構造と微分同相群 2016 (Foliations and Diffeomorphism Groups 2016)
    • 発表場所
      東京大学玉原国際セミナーハウス
    • 年月日
      2016-10-21
    • 招待講演
  • [学会発表] Weighted cohomology of homogeneous Poisson structures2016

    • 著者名/発表者名
      Kentaro Mikami
    • 学会等名
      Poisson 2016
    • 発表場所
      ETH Zurich, Switzerland
    • 年月日
      2016-07-04 – 2016-07-08
    • 国際学会
  • [学会発表] GF cohomology of Poisson structures2016

    • 著者名/発表者名
      Kentaro Mikami
    • 学会等名
      Workshop on Development of new methods in Symplectic Geometry: JSPS Bilateral joint Research Project between Belgium and Japan
    • 発表場所
      Tohoku Forum for Creativity
    • 年月日
      2016-04-25
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2018-01-16  

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