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2017 年度 実施状況報告書

ポアソン構造に付随するコホモロジー群の研究

研究課題

研究課題/領域番号 26400063
研究機関秋田大学

研究代表者

三上 健太郎  秋田大学, 名誉教授, 名誉教授 (70006592)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2019-03-31
キーワードコホモロジー群 / ポアソン / シンプレクティック / ヤング図形 / ゲルファント・フックス / トーラス / フーリエ展開 / 周期関数
研究実績の概要

これまで一貫してシンプレクティック(斜交)多様体の形式的ハミルトンベクトル場のなすリー環の研究を続けている。
(1)斜交空間の形式的ハミルトンベクトル場の成す無限次元リー環の相対ゲルファント・フックス(GF)コホモロジー群を重さを指定する毎に調べる方法をarXiv:1210.1662 on http://arXiv.org に公開しています。
2次元斜交線形空間での重み24のゲルファント・フックスコホモロジー群を2014年8月から計算中です。9区間の内難所が3区間ありその一つ縦2897横4281の行列計算を2014年12月に開始し3年かけて2018年1月に終え, ベッチ数が0と分かりました。非零ベッチ数を求めるべく次は縦4281横3534の行列入手を3台の計算機で始めました。
(2)2015年秋頃からGFコホモロジー理論をベクトル空間(奇数次元も可)の同次ポアソン構造(homogeneous Poisson structure)の多項式環あるいは形式的ハミルトンベクトル場のなすリー環のコホモロジー群に自然に拡張するアイデアを得, Cohomology groups of homogeneous Poisson structures (arXiv:1511.00199 on http://arXiv.org) に公開しています。
(3) 2017年春頃から斜交トーラス上の関数に対し, フーリエ級数展開近似する事により, 荷重付きリー環のコホモロジー群に拡張するアイデアを得, First Betti number of weighted homology group of Hamiltonian vector fields on symplectic tori (arXiv:1705.10894 on http://arXiv.org) に公開し, 欧文誌に投稿中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

斜交空間の形式的ハミルトンベクトル場の成す無限次元リー環の相対ゲルファント・フックス(GF)コホモロジー群を重さを指定する毎に調べる方法をarXiv:1210.1662 on http://arXiv.org に公開しています。
2次元斜交線形空間での重み24のゲルファント・フックスコホモロジー群を2014年8月から計算中です。9区間の内難所が3区間あり, 残る二区間の一つ縦2897横4281の行列入手を2014年12月に開始し3年かけて2018年1月に終え, ベッチ数が0と分かりました。非零ベッチ数を求めるべく次は縦4281横3534の行列入手を3台の計算機で始めた所です。予想外に計算時間を要したがトラブルもなく次のステップに挑戦出来る状況であるのでおおむね順調に進展していると判断している。
これまでの2n次元斜交線形空間あるいは同次ポアソン空間の研究の舞台はベクトル空間です。そこでは多項式を使う事が出来ます。それとは性質の大きく異なる空間での重み付きホモロジー群・コホモロジー群の研究に2017年春頃から着手しました。その空間は斜交トーラスです。この空間の関数は全て周期関数なので, 多項式は考える事が出来ず, テーラー展開のアナロジーとしてフーリエ級数展開近似する事により, 荷重付きリー環のコホモロジー群に拡張するアイデアを得, First Betti number of weighted homology group of Hamiltonian vector fields on symplectic tori (arXiv:1705.10894 on http://arXiv.org) に公開しました。
既存の概念に関しては計算を深化し, その一方で新規の概念を提案出来ることは, これまでの研究方針や方向に確かな手応えを覚え概ね順調に進展していると判断している。

今後の研究の推進方策

(1)2次元斜交線形空間での重み24のGFコホモロジー群を2014年8月から計算中です。9区間の内難所が3つあり, 縦2897横4281の行列入手を2014年12月に開始し3年かけて2018年1月に終え, ベッチ数が0と分かりました。非零ベッチ数を求めるべく次の区間縦4281横3534の行列入手に着手した所です。斜交空間の形式的ハミルトンベクトル場の成す無限次元リー環の相対GFコホモロジー群を重さを指定する毎に調べる方法をarXiv:1210.1662 on http://arXiv.org に公開し, また数式処理ソフトを自主開発し現在ワークステーション3台で上のように計算が済んだ部分と始めたばかりの所があり本件に関しては今後を見守るのみです。
(2) 斜交トーラス(シンプレクティックトーラス)の, 荷重付きリー環のコホモロジー群の概念を2017年春頃発想し, First Betti number of weighted homology group of Hamiltonian vector fields on symplectic tori (arXiv:1705.10894 on http://arXiv.org) を公開しています。タイトルから分かるように数あるベッチ数のうち最初が判明したばかりです。周期関数を扱う上での特徴を理解し2次以降のベッチ数の研究を推進したく思います。
(3) シンプレクティック幾何の世界では「Everything is Lagrangian」と言うことわざ(symplictic creed) があります。ラグランジュ部分空間のなす多様体(Lagrangian Grassmann manifold) の局所座標系を獲得し数式処理システムに移植も一部出来ているので今後の斜交幾何あるいはそのコホモロジー群研究に使えるよう研究を推進したく思います。

次年度使用額が生じた理由

当該研究の補助事業期間の延長が認められたため。
数学会と幾何学シンポジウムの国内旅費に使用を計画している。

備考

First Betti Number of weighted homology group of Hamiltonian vector fields on symplectic tori, https://arxiv.org

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2018 2017 その他

すべて 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件) 備考 (1件)

  • [学会発表] 2nd trial of weighted GF theory for symplectic tori2018

    • 著者名/発表者名
      三上 健太郎
    • 学会等名
      伊豆トポロジーセミナー
    • 招待講演
  • [学会発表] A trial of weighted GF theory for symplectic tori2017

    • 著者名/発表者名
      三上 健太郎
    • 学会等名
      様相構造と微分同相群2017
    • 招待講演
  • [備考] arXiv:1705.10894.v2

    • URL

      https://arxiv.org

URL: 

公開日: 2018-12-17  

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