3次元ローレンツ・ミンコフスキー空間の折り目特異点をもつ極大面のクラスとして「小林曲面」を定義し,これが固有にはめこまれた零平均曲率曲面で因果特性を変化させるもの・空間的平面全体で定義された関数のグラフとなっているものを数多く含むことを示した.これとは別に,光的直線を含み,この直線をはさんで因果特性を変化させる零平均曲率曲面の例をはじめて構成した.一方,このような直線が現れることを示す直線定理を零平均曲率曲面を真に含む曲面のクラスまで拡張した. 一般に3次元ローレンツ多様体の正則曲面上の因果特性が変化するための条件を調べ,零でない一定の平均曲率をもつ曲面は因果特性を変化させないことを示した.
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