研究実績の概要 |
昨年度までの研究で得られた三分岐離散曲面の細分の議論で自然にあらわれたGoldberg-Coxeter constructionに関する研究を行った. 三分岐または四分岐平面グラフに対してGoldberg-Coxeter constructionを行った場合に,その固有値の漸近挙動の解析を行った. この研究は,T. Tate (Tohoku U.) と T.Omori (Tokyo Sci. U) との共同研究であり,C60などのフラーレン構造をモデルとしたグラフに関する研究であり,その固有値の挙動を解析することは,巨大なフラーレン構造の安定性に関連すると考えられる.この研究では,与えられた3分岐または4分岐の単純平面グラフXに対して,その (k, 0)-Goldberg-Coxeter 細分をおこなったグラフXkの固有値の最初の o(k^2) 個は0に収束することを示した. さらに,(2k,0)-Goldberg-Coxeter細分に関しては,常に特殊な固有値をもち,その重複度の下からの評価を得た.この研究結果は現在投稿中であり,プレプリントサーバarXivから入手可能である.
また 三分岐離散曲面の細分に関して,抽象的な細分に対する実現方法として,昨年度までに行った研究とは異なる方法を用いることによって,任意の三分岐離散曲面は,(k, 0)-Goldberg-Coxeter 細分の繰り返しによって,ハウスドルフ収束をすることを証明した. この研究は M.Kotani (Tohoku U) と C.Tao (Tohoku U) との共同研究であり,現在投稿中である.
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