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2018 年度 実施状況報告書

幾何学的変分問題と離散幾何学の数値解析を援用した研究

研究課題

研究課題/領域番号 26400067
研究機関名古屋大学

研究代表者

内藤 久資  名古屋大学, 多元数理科学研究科, 准教授 (40211411)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2020-03-31
キーワード離散幾何解析 / グラフの固有値
研究実績の概要

昨年度までの研究で得られた三分岐離散曲面の細分の議論で自然にあらわれたGoldberg-Coxeter constructionに関する研究を行った. 三分岐または四分岐平面グラフに対してGoldberg-Coxeter constructionを行った場合に,その固有値の漸近挙動の解析を行った. この研究は,T. Tate (Tohoku U.) と T.Omori (Tokyo Sci. U) との共同研究であり,C60などのフラーレン構造をモデルとしたグラフに関する研究であり,その固有値の挙動を解析することは,巨大なフラーレン構造の安定性に関連すると考えられる.この研究では,与えられた3分岐または4分岐の単純平面グラフXに対して,その (k, 0)-Goldberg-Coxeter 細分をおこなったグラフXkの固有値の最初の o(k^2) 個は0に収束することを示した.
さらに,(2k,0)-Goldberg-Coxeter細分に関しては,常に特殊な固有値をもち,その重複度の下からの評価を得た.この研究結果は現在投稿中であり,プレプリントサーバarXivから入手可能である.

また 三分岐離散曲面の細分に関して,抽象的な細分に対する実現方法として,昨年度までに行った研究とは異なる方法を用いることによって,任意の三分岐離散曲面は,(k, 0)-Goldberg-Coxeter 細分の繰り返しによって,ハウスドルフ収束をすることを証明した. この研究は M.Kotani (Tohoku U) と C.Tao (Tohoku U) との共同研究であり,現在投稿中である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の目標の結果までには到達はできていないが,三分岐(または四分岐)平面グラフに対するGoldberg-Coxeter constructionに関する重要な結果を得ることができた.

今後の研究の推進方策

最終年度を超えて研究期間を延長している.
この研究に関わる研究成果は現在投稿中であるため,その査読結果に対して必要な対応(研究を行う).
また,三分岐離散曲面の細分列の収束に関して,ハウスドルフ収束をすることは証明したが,法ベクトルの収束および曲率の収束に関しては,具体例に関する数値計算結果を得ているのみであり,数学としての主張は何も得られていない. そのため,現在までの数値計算例を元に,細分列に対する法ベクトルの収束定理の構築をめざす.

次年度使用額が生じた理由

研究に関しては問題なく進展していて,特に問題は無いと考える.本年度は,現在投稿中の論文に対する出版費用および,査読結果によって生ずると考えられる修正点に対しての必要な追加研究を行い,そのために必要な経費に充当する.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019 2018

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [学会発表] Discrete geometric analysis -- crystal structure, a discrete surface theory and its applications to physics and chemistry --2019

    • 著者名/発表者名
      Hisashi NAITO
    • 学会等名
      Introductory workshop on discrete differential geometry
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 炭素構造・結晶格子・離散曲面2018

    • 著者名/発表者名
      内藤久資
    • 学会等名
      名古屋大学,物質と幾何セミナー

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公開日: 2019-12-27  

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