ユークリッド微分幾何ではカテノイドや平面は回転面となる極小曲面として特徴付けられることが基本的な事実として知られているが、アファイン微分幾何においても対応する結果を得ることは基本的かつ自然な問題である。例えば、関連する先行研究では等積アファイン回転面とよばれるブラシュケ曲面が中心アファイン微分幾何との関連も含めて調べられている。そこで、平成29年度の研究では曲線の原点を固定する等積アファイン変換群の1径数部分群による軌道として表される、余等質性1の中心アファイン曲面について考察した。特に、曲線が1つの直線を含む平面上にあり、1径数部分群がその直線を固定する場合、このような曲面は中心アファイン微分幾何における回転面とよぶべきものとなる。例えば、原点を中心とする固有アファイン球面は中心アファイン計量が平坦ならば余等質性1であることが直ちに分かるが、余等質性1の中心アファイン曲面が漸近線座標、或いは複素座標を用いて標準形とでもよぶべき特別な表示をもつことを用いて、その他に中心アファイン計量が平坦でない場合についても余等質性1の原点を中心とする固有アファイン球面を特徴付けることに成功した。また、ユークリッド微分幾何における極小曲面の中心アファイン微分幾何版といえる中心アファイン極小曲面はかなり大きな曲面族であるが、余等質性1の中心アファイン極小曲面について中心アファイン計量の曲率が一定となるものを分類した。
|