研究実績の概要 |
微分幾何学の特異点論的研究とその応用として、 1.特異点を許容する曲線論として枠付き曲線を導入し、微分幾何学的な性質の研究を行いました。特に、基本定理として曲率にあたる写像を導入し、その曲率における枠付き曲線の存在と一意性や曲線に対して枠付き曲線が存在する条件を与えました。また、応用としてフロンタルの凸性の条件や1径数ルジャンドル曲線族に対する包絡線の定式化を行いました。特に、包絡線をルジャンドル曲線族に対して導入することにより、ユークリッド空間だけではなく、球面、双曲空間、ド・シッター空間に対応したルジャンドル曲線族に対して包絡線の定義をすることが出来、双対性や包絡線の性質を研究しました。包絡線が存在する必要十分条件や包絡線は再びルジャンドル曲線になるので、ルジャンドル曲率を与えました。 2.特異点を許容する曲面論として枠付き曲面を導入し、微分幾何学的な性質の研究を行いました。特に、基本定理として曲率にあたる基本不変量を導入し、その基本不変量における存在と一意性を与えました。また、ガウス曲率、平均曲率に対応する関数等を定義し、ルジャンドルはめ込みになる必要十分条件や枠付きはめ込みになる必要十分条件を求めました。さらに、枠付き曲線に沿った、ルジャンドル曲線族から作られる曲面が枠付き曲面になるための条件を求め、その枠付き曲面の特異点の判定を行いました。 3.ラグランジュ特異点論とルジャンドル特異点論の研究としてラグランジュはめ込み芽の分岐の生成的な分類を、グラフ型ルジャンドル開折を用いることにより、行いました。 4.B_2=C_2, G_2, D_4に付随する双対性の研究の続きとしてD_n幾何学に付随する接線曲面の生成的な分類を行いました。
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