研究課題
当該年度(H28年度)は、引き続き、曲面結び目図式のローズマン変形の独立性についての研究を行った。三重点に関わる変形に関して、以下の考察をした。自明な球面結び目を表す図式で、ある程度複雑なもの(例えば1-twist-spunの構成方法を用いて得られる図式)を考え、その図式を自明な図式へ変形する途中で、T2変形(=四面体変形)が生じるかどうかを考察した。残念ながら、完全な証明を与えることはできなかったが、これは今後の課題としたい。その他、一次元結び目理論の図式に関わる研究にも(前年度に引き続き)取り組んだ。国士舘大学の新庄玲子氏と共同で、結び目図式の同調補領域(/非同調補領域)の個数に関する研究を行い、同調補領域の個数が結び目のクロスキャップ数と関係していることを明らかにした。また、同調数(/非同調数)という結び目不変量を定義し、同調数が四以下であるような結び目を完全に特徴づけることができた。これらの成果に関しては、現在論文を執筆中である。また、バイカンドルとカンドルの関係についても考察をし、バイカンドルから「自然なカンドル」を定義することができた。まだ論文としてまとめる段階にはないが、得られた成果を国内の研究集会で発表した。当該年度(H28年度)は、新たに二本の論文の採録が決定した。また、国内外の研究集会やセミナーに出席し、専門知識を学ぶと共に、結び目理論研究者たちと議論を交わした。その際の旅費を科研費から捻出した。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 備考 (1件)
Mathematical Proceedings of the Cambridge Philosophical Society
巻: 161 (No. 2) ページ: 237--246
10.1017/S0305004116000244
Algebraic & Geometric Topology
巻: 16 (No. 4) ページ: 2443--2458
10.2140/agt.2016.16.2443
http://www.u-gakugei.ac.jp/~kotanaka/