研究課題/領域番号 |
26400083
|
研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
山口 耕平 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (00175655)
|
研究分担者 |
Guest Martin 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (10295470)
山田 裕一 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (30303019)
島川 和久 岡山大学, 自然科学研究科, 教授 (70109081)
大野 真裕 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (70277820)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | ホモトピー論 / 正則写像 / 複素多様体 / トーリック多様体 / ホモトピー型 / 実代数幾何学 / ベクトル束 / 手術 |
研究実績の概要 |
1. 研究代表者は、M, Nが複素多様体の場合に、MからNへの正則写像のなす有限次元空間 Hol(M,N) の位相をホモトピー論の観点から(平成27年度に引き続き)研究してきた。特に、この問題に関連して、Mが複素1次元射影空間CP(1)で、 Nが非特異トーリック多様体の時に有限次元空間 Hol(M,N)が、MからNへの連続写像全体のなす無限次元空間 Map(M,N)のホモトピー型をどの程度(どの次元まで)まで近似するかを調べることを平成28年度は主に研究した(この問題は一般にはAtiyah-Jnes予想と言われる)。この予想について、Nがコンパクトでない場合にこの予想が肯定的に成り立つための条件をA. Kozlowki教授(ワルシャワ大学)との共同研究で考察しその適切と思われる条件を見つけることに成功した。 2. 多様体の手術理論方面の研究分担者は、レンズ空間手術と4次元多様体の関わりに関して、ヒーガードフレアー理論に由来する「changemaker」の概念とディバイド表示の関連研究を開始し、典型的な具体例と今後の展望について研究集会で講演した。 3. 代数幾何学方面の研究分担者は、平成28年度は,平成27年度に引き続き、完備な強い意味での例外ベクトル束列をもつ非特異射影多様体上のネフなベクトル束について研究した。特に射影空間上の第1チャーン類が3で第2チャーン類が8のネフな(代数的)ベクトル束を、極小自由分解によるわかりやすい記述を与えることで分類した。 4. 微分空間の研究分担者は、滑らかな多様体間の写像に関するWhitney近似定理を,微分空間の圏において定義される滑らかなセル複体間の写像に一般化することに成功し,その結果を用いて,微分空間の圏のモデル構造と位相空間のそれとの間にQuillen同値が存在することを示した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成28年には、上記で述べたトーリック多様体がコンパクトでない場合の、「Atiyah-Jones」予想が肯定的に成り立つ具体的な条件を求めることに成功した。さらに、この結果の論文も平成29年度夏までには投稿できる予定である。 さらに、各研究分担者も論文の受理までは至っていないが、論文準備中である。以上を評価して「おおむね順調に進展している」と判断した。
|
今後の研究の推進方策 |
1. 今までに引き続き、ワルシャワ大学のA. Kozlowski教授との共同研究で、「Atiyah-Jones予想問題」の研究を推進する予定である。 2. 最近、米国のB. Farb教授たちの研究する「Resultant」のホモトピー型に関する研究に着手した。これに関連したあるresultant空間Poly(F)のホモトピー型を体Fが、複素数体Cの時に完全に決定できることに、Kozlowski教授との共同研究で成功した。今後はこの結果の類似が、体Fが実数体Rの時に成り立つかの研究を平成29年度以降実施する予定である。 3. 各研究分担者も平成28年度実施した研究をさらに発展させるようにする予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
新規PCの購入を(間も無く新しいPCが販売される見込みのため)次年度にその購入を延期したためである。
|
次年度使用額の使用計画 |
新規PC(ノートPC)が、平成29年度夏頃発売されるのでその販売に使用する予定である。
|