研究実績の概要 |
1. 研究代表者は、2次元球面Sから複素多様体Xへの正則写像全体のなす空間Hol(S,X)から対応する連続写像全体のなす空間 Map(S,X)への包含写像がどの程度の次元までホモトピー型を近似するか(Atiyah-Jones-Segal予想)について研究した。とくに、Xが非特異点なコンパクトでないトーリック多様体の場合に、ある種の条件のもとでAiyah-Jones-Segal予想が成立することに A.Kozlowski教授(ワルシャワ大学)との共同研究で証明した。 2. 研究代表者は、B.FarbとJ.Wolfson 達によって定義された体F上の一般化された終結式達から定義されるaffine variety Poly(d,m,n,F) のホモロジー群の計算について考察した。とくに、体Fが複素数体Cの場合には、A.Kozlzowski教授との共同研究によって この空間のホモトピー型を完全に決定することに成功した。 3. 4次元多様体を研究している研究分担者は、例外的デーン手術を利用して4次元多様体を構成する観点から、可縮だが球体ではない4次元多様体を与えることで知られる特殊な2成分絡み目の族について着目し、整数係数手術の中での例外的デーン手術の分布について考察した。 4. 代数幾何学を研究している研究分担者は、射影空間上の第1チャーン類が3のネフなベクトル束を(以前から残っていた場合,特に第2チャーン類が9の場合を含めて)分類することに成功した。証明の過程で、そのようなベクトル束がいつ大域生成になるかについても決定した。 5. 滑らかな多様体間の写像に関するWhitney近似定理を微分空間の圏において定義される滑らかなセル複体間の写像に一般化することに成功し、それを用いて、J.H.C. Whiteheadの定理およびde Rhamの定理が微分空間に対しても成立することを示した。
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