研究課題/領域番号 |
26400084
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
塩田 昌弘 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 名誉教授 (00027385)
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研究分担者 |
泉 修蔵 近畿大学, 理工学部, 研究員 (80025410)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 幾何学 |
研究実績の概要 |
フランスのレンヌ大学を7月に訪問して Coste と Artin の近似定理の位相的ヴァーション(Kollar の予想問題)の共同研究を行った。元の定理は多項式のベキ級数解を解析的解で近似するものであり、我々は位相的解を準代数的解で近似する。これは2年越しの共同研究で、既に大枠の証明は正しいと分かっているが、細部に多くの問題があり、そのチェックを延々と行っている。また論文を書き始めているが、その表現をどうするか、その相談を行った。普通はこのような相談はしないが、あまりに内容が複雑なので必要であった。 レンヌ大学を訪問した時に同時に、Bekka と特異点理論の共同研究を行った。問題は Mather の有名な微分可能写像の安定性に関する結果を解析的写像で証明することである。時間をかけて議論して、層の理論を使って、証明ができると、判断した。実際に論文を書くことにし、Bekka は書き始めているが、彼は層の理論に詳しくないので、その後、あまり進展していない。私には上記の近似定理の位相的ヴァーションの論文を書き終わらないと、書く時間がない。 特異点理論研究では兵庫教育大学の小池敏司氏と埼玉大学の福井敏純氏とで、兵庫教育大学に3回集まり共同研究を行った。また前年度に証明した、多項式写像の位相的タイプの基数に関する結果を論文に書く相談をした。また、私は real spectrum の説明を時間をかけて行った。それは今後の共同研究に役立つと思ったからである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記の近似定理の位相的ヴァーションの共同研究は予想どうり進行しているが、論文を書くのは遅れている。 上記の解析的写像の安定性に関する問題は予想以上の進展である。但し論文を書くのは何時になるか、分からない。
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今後の研究の推進方策 |
既に述べたように、共同研究はすべて順調であり、このまま続ける。論文の細部の相談のため、複数回、私がフランスを訪れ、彼らが日本を訪問しなければ進展しない。
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