研究課題/領域番号 |
26400089
|
研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
服部 泰直 島根大学, 学内共同利用施設等, 学長 (20144553)
|
研究分担者 |
渡邉 忠之 島根大学, 総合理工学研究科, 講師 (70467447)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | 位相空間 / 次元論 / アレクサンドロフ空間 / ドメイン / Khalimski空間 |
研究実績の概要 |
研究代表者の服部は、主要な海外研究協力者であるVitalij Chatyrko准教授(リンショーピン大学、スウェーデン)の招きに応じ、8月18日~26日にリンショーピン大学を訪問し、ドメイン理論に現れる位相様相及び次元論を主なテーマに数学教室主催のセミナーで講演を行うと共に、Chatyrko氏と研究連絡を行った。また、韓国の全北大学校(Chonbuk National University)において6月15日~18日に開催された数学に関する国際会議「2016 International Conference of the Honam Mathematical Society」において招待講演(講演題目「Hereditarily reversible spaces」)を行うと共に、同会議を主催したSang-Eon Han教授(Chonbuk National University)やA.Sostak教授(Univ. Latvia)等の会議参加者と研究連絡及び最近の研究状況について情報収集を行った。Chatyrko准教授とHan教授とはこれらの活動も活用しながら共同研究を進め、アレクサンドロフ空間(=各点が最小近傍を持つ空間)における小帰納的次元 ind の動向を調べ、ind に関する分解定理、和定理及び積定理を得た。さらに、小帰納的次元を無限次元に拡張した超限帰納的次元 trind に関する和定理及び積定理を得た。また、上記定理の応用として n次元 Khalimski 空間 K^n における特殊な部分空間に関する表現定理を得た。 さらに、服部は中国のMinnan Normal University を平成29年2月に訪問した機会に、数学教室主催のセミナーにおいて、ドメイン理論とトポロジーの関連域に関する講演を行い、また、当該教室の教員と幅広い意見交換・情報収集を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究代表者の服部は、主要な海外研究協力者であるVitalij Chatyrko准教授(リンショーピン大学、スウェーデン)の招きに応じ、リンショーピン大学を訪問し、ドメイン理論に現れる位相様相及び次元論について研究連絡を行い、また、Sang-Eon Han教授が所属するChonbuk National University において開催された国際会議に招待された機会等を通じてSang-Eon Han教授(Chonbuk National University)等と研究連絡を行った。両氏との共同研究の成果として、1編の国際共同論文を発表した。さらに、中国のMinnan Normal University を訪問する機会を活用して幅広い研究者と最近の研究状況について情報収集や研究連絡を行うなど、国際水準の研究が進められている。 平成28年度には、服部は国際共著論文1編、渡邉は1編の論文を学術雑誌に発表したほか、海外での1件の招待講演を含む2件の口頭発表を行うなど、 研究は概ね順調に進んでいると判断する。
|
今後の研究の推進方策 |
基本的には当初の計画通り距離空間と一般の位相空間における次元論、及び、ドメイン理論の位相空間への応用やこれらに関連する位相的性質の研究を進める。研究代表者の服部は、海外研究協力者のVitalij Chatyrko准教授(Linkoping University, Sweden)と主に次元論に関する研究を、そして、Sang-Eon Han教授(Chonbuk National University, Korea)、Wei Yao准教授(Hebei University of Science and Technology, China)とはドメイン理論及びそれに現れる位相様相に関する研究を共同で進める。今年度は、服部はWei Yao准教授が在籍する中国の河北科技大学で6月に開催されるドメイン理論に関する国際会議「The Seventh International Symposium of Domain Theory and Its Applications」に招待されており、当該会議に出席、招待講演講演を行うと共に、出席予定のドメイン理論の一線の研究者であるA. Edalat教授(Imperial College, UK), A. Jung 教授(University of Birmingham, UK), M. Mislove教授(Tulane University, USA), J. Lawson教授(Louisiana State University, USA)等とドメイン理論に関する最近の状況について意見交換・情報収集を行い、研究の方向性を確認しながら研究を進める。
|
次年度使用額が生じた理由 |
研究代表者の服部が本経費採択後の平成27年4月から学長職に就き、平成28年度は大学運営のため多忙であり、出席予定であった国内の学会、研究集会に出席できず、そのための経費に残額が生じた。さらに、当初、韓国の全北大学校における国際会議への出席に係る旅費を計上していたが、渡航費も含めて旅費全額が国際会議から支払われることによる残額も生じた。 本研究遂行上必要となる図書が発刊されなかったこともあり、図書購入は行わなかった。また、学会等出張先での資料作成を行うためにノート型パソコンの購入も予定していたが、緊急性が薄れたため購入は控えた。以上の理由により次年度使用額が生じた。
|
次年度使用額の使用計画 |
平成29年度は、服部が中国の河北科技大学で6月に開催されるドメイン理論の国際会議に招待講演者として出席する予定であり、その渡航費(滞在費については国際会議が負担する予定)として使用する予定である。また、海外研究協力者のVitalij Chatyrko氏(Linkoping University, Sweden)、Sang-Eon Han氏(全北大学校、韓国)(もし、両氏の都合がつかない場合は、ドメイン理論や位相空間論の研究者)を本学に招聘し、共同研究を推進したく考えているため、そのための渡航費、滞在費に使用予定である。また、昨年度取りやめた専門書やノート型パソコンの購入費として使用する予定である。
|