研究課題/領域番号 |
26400098
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研究機関 | 津田塾大学 |
研究代表者 |
福原 真二 津田塾大学, その他部局等, 名誉教授 (20011687)
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研究分担者 |
宮澤 治子 津田塾大学, 付置研究所, 研究員 (40266276)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | デデキント和 / ベルヌーイ数 / 相互法則 / 位相不変量 / 曲線の自己交差 |
研究実績の概要 |
一般デデキント和の相互法則はベルヌーイ多項式を用いて表されることが研究代表者の結果により解っている。その点からもベルヌーイ数の各種性質を調べることが必要になってくる。そこで平成27年度においては、代表者は久野雄介氏(津田塾大学)、河澄響矢氏(東京大学)と共同でベルヌーイ数に関する新しい公式を発見しその証明を以下の論文にまとめWeb上に公開した。 "Generalized Kronecker formula for Bernoulli numbers and self-intersections of curves on a surface, Shinji Fukuhara, Nariya Kawazumi, Yusuke Kuno, arXiv:1505.04840 [math.NT]"である。この中で著者らは曲面上の曲線の自己交差を表す式にベルヌーイ数が現れることに注目し、そのことからベルヌーイ数を直接求める式を見つけた。従来ベルヌーイ数を求める漸化式は多数知られていたが、直接式はクロネッカーのもの以外知られていなかった。今回の式はパラメーターを2つ持った一般的な式になっている。今後は更にオイラー数に関してもこのような明示式が得られるか調べるつもりである。 また代表者は研究集会「リーマン面に関する位相幾何学」において「Dedekind symbolと保型形式」という題で講演した。多項式相互法則をもつ一般デデキント和が、保型形式に由来していることを示したものである。 研究分担者は結び目とタングルの研究を続行しており、付随するグラフの不変量を通じて結び目の性質を研究している。ライデマイスター移動で変わる量を定義し、いかなる変化をするかを調べて付置研究所で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
曲面上の曲線のホモトピー不変量の研究が新たに加わったため、共同研究者も増えることになった。現在新たな体制で研究を進めており、徐々に成果が上がってきている。
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今後の研究の推進方策 |
一般デデキント和を更に一般化した psudo Dedekind symbolの性質を調べたい。そのために保型形式の専門家である共同研究者Yifan Yang, Noriko Yui両氏と議論する機会を設ける。
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次年度使用額が生じた理由 |
海外から招聘した共同研究者の滞在期間が当初計画したものより短期間になり、支給する滞在費が少なめになった。また、研究分担者は参加する予定の研究集会のうち1つに参加できなくなった。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度の海外からの共同研究者の滞在費として使用するつもりである。また研究分担者も今年度複数の研究集会に参加する予定である。
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