研究実績の概要 |
本研究では、一般デデキント和と位相幾何学に現れる位相不変量との関係を探って来た。一般デデキント和はベルヌーイ数と関係が深く、しばしばベルヌーイ数を用いた公式であらわされる。それは保型形式が、アイゼンシュタイン級数の積や一次結合で、表されることと関係している。 今回行った研究で、曲面上の曲線の不変量にベルヌーイ数が登場することが判った。そのことは共著論文"Self-intersections of curves on a surface and Bernoulli numbers, Shinji Fukuhara, Nariya Kawazumi, Yusuke Kuno (to appear in Osaka J. Math)"において発表した。この不変量が一般デデキント和を背景にして出てきたものかどうかは、興味のある問題である。引き続き追究していきたい。 曲面上の曲線の不変量に関しては、カウフマン=ジョーンズ型の不変量も得られた。これは共著論文"Kauffman-Jones polynomial of a curve on a surface, Shinji Fukuhara, Yusuke Kuno, J. Knot Theory Ramifications 26, 1750062, 17pp., (2017)"において発表された。カウフマン=ジョーンズ型の不変量は本来結び目の不変量であり、従ってイソトピー不変量である。それがホモトピー不変量にもなり得ることが判ったのは新鮮な驚きであった。 分担者は仮想絡み目に関する結果を共著論文の"Linking invariants of even virtual knots, Haruko Aida Miyazawa, Kodai Wada, Akira Yasuhara, J. Knot Theory Ramifications 26,1750072, 12pp., (2017)"に発表した。
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