3次元空間内の結び目の研究では,これまでその補空間がよく活用されてきた。実際,同値な結び目の補空間は同相になる。逆に,同相な補空間をもつ結び目は同値であるということが,GordonとLueckeにより証明された。そこで鍵となったのは,結び目に沿ったデーン手術と呼ばれる操作である。実際,彼らは3次元空間内の結び目に沿った自明な手術と非自明な手術によって同相な3次元多様体は生成されない,ということを証明した。この結果の一般化についての予想が「矯飾的手術予想」であり,現在,様々に研究が進められている。本研究では特に,3次元空間内の交代結び目に着目し研究を行い,いくつかの部分的解決を得た。
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