研究実績の概要 |
平成26年度は特に,群作用素環の研究を行った。論文[1]では,離散従順群の左正則表現は全て区分対角的かという30年来の重要未解決問題に取り組み,初等的従順群という大きなクラスに対して肯定的に解決した。これはC*環の分類理論における近年の発展の成果を離散群の研究に応用したものである。論文[2]では,離散群C*環がいつ単純であるかという長年の問題に対して,境界作用を用いる画期的な研究方針を導入し,この方面で得られていたこれまでの成果を一新する大きな成果を得た。論文[3]では,von Neumann両加群の理論を発展させることにより,局所コンパクト量子群とその群von Neumann環の間の関係を明らかにした。 [1] N. Ozawa, M. Rordam, and Y. Sato; Elementary amenable groups are quasidiagonal. Geom. Funct. Anal., 25 (2015), 307--316. [2] E. Breuillard, M. Kalantar, M. Kennedy, and N. Ozawa; C*-simplicity and the unique trace property for discrete groups. Preprint. [3] R. Okayasu, N. Ozawa, and R. Tomatsu; Haagerup approximation property via bimodules. Preprint.
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