ハミルトン系の第一積分の特異性を解析して、非可積分性が起こる構造と解の大域的性質をしらべた。このとき困難な点として、第一積分を構成するとき現れる発散、あるいは標準形への変換で現れる発散を意味づけて議論を行う必要があり、偏微分方程式に対する独立変数に関するボレル総和法やパラメータに関するボレル総和法を証明した。非可積分性の構造の解析に関しては、微分ガロア理論が必ずしも有効でない場合に大域的な非可積分性がおこるケースをしらべた。第一積分の大域情報が十分にわかっていないので結果はまだ改良の余地があり今後の研究が必要である。
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