前年度までの研究では,無限記号列のランダムネスの基準としてΣ値を導入し,これを用いて乱数列の特徴付けを行ってきた.すなわち,n項までの部分列に対するΣ値が(3/2)n^2(1+o(1))となる無限記号列をΣ-randomと呼び研究してきた.一般にnormal numberはΣ-randomとは限らない.前年度はnormal numberの中でもとくにChampernowne numberはΣ-randomとなることを示した.また,ランダムネスの小さい列,周期列やSturmian列の特徴付けをΣ値を用いて行った.すなわち,周期列はn項までの部分列に対するΣ値がCn^3(1+o(1))となることと同値であり,また,Sturmian列に対してはCn^2log n(1+o(1))となることを示した. 今年度はさらに,一様乱数でない乱数,例えば独立性はあるが各記号の重みが一様でないような乱数に対するランダムネスの基準を導入し研究した.また,2次元配列のランダムネスをし考察した.
|