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2015 年度 実施状況報告書

ランダムシュレディンガー作用素に関する問題の確率論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 26400132
研究機関京都大学

研究代表者

上木 直昌  京都大学, 人間・環境学研究科(研究院), 教授 (80211069)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2019-03-31
キーワード確率解析 / 微分方程式 / 作用素論 / 数理物理 / ランダムシュレディンガー作用素 / スペクトル / Lifschitz tail / 累積状態密度関数
研究実績の概要

本研究はランダムなシュレディンガー作用素に関する様々な問題に確率論的立場から取り組むことを目的としている。本年度はまず Gauss 型確率場を磁場にもつシュレディンガー作用素に対する Wegner 型評価について前年度迄に得られていたスピン0の場合における結果を7月27日から8月1日までチリのサンチアゴで開かれた第18回国際数理物理学会で発表した。次に Fredholm 行列式を用いて定義されるあるランダム点配置のクラスに対して各点配置のまわりにポテンシャルを置いて定義されるランダムシュレディンガー作用素の累積状態密度関数のスペクトル下限における挙動を調べ、その主要項を一定のクラスに対しては決定した。この課題はランダム配置がポアソン配置である場合に始まり、多くの結果が知られているが、今回得られた結果はこのポアソン配置に対する結果に準じたものであった。一方 Fredholm 行列式を用いて定義されるあるランダム点配置のうち今回扱えなかったものの中には Ginibre 点配置というランダム行列と密接に関係し、各点間の反発力の為に挙動がポアソン配置と異なる例としてよく研究されているものが含まれており、今後この配置に対しても同様の問題を考えたい。この配置に対しては累積状態密度関数の挙動はオーダーから異なることが今回の結果から予想される。また今回扱ったランダム点配置のクラスの中にもまだ主要項が十分に分かっていない場合がある。それは主要項に量子力学的効果が現れるかどうかはポテンシャルの強さに依って決まるのであるが、この量子力学的効果の有無が変わる臨界の場合であって、今後この場合の結果も充実させたい。その為には例えば大偏差原理の理論を拡充させることなどを考えなければならない。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ランダムな磁場をもつシュレディンガー作用素に対する Wegner 型評価に関して国際数理物理学会で研究発表することが出来、累積状態密度関数の挙動について新たなクラスのモデルで明らかにすることが出来たから。

今後の研究の推進方策

累積状態密度関数の挙動についての結果を拡張したい。出来れば Ginibre 点配置を含めて、ポアソン点配置の場合とオーダーが異なる場合まで結果を拡張したい。また以前から取り組んでいるランダムな磁場をもつシュレディンガー作用素に対する Wegner 型評価に関してもスピン1/2の場合の結果を磁場だけに条件を置いた設定に拡張したい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Anderson localization in Gausian random magnetic fields2015

    • 著者名/発表者名
      Naomasa Ueki
    • 学会等名
      XVIII International Congress on Mathematical Physics
    • 発表場所
      Convention Center of Intercontinental Hotel, Santiago de Chile (チリ)
    • 年月日
      2015-07-27 – 2015-08-01

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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