研究課題/領域番号 |
26400132
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
上木 直昌 京都大学, 人間・環境学研究科, 教授 (80211069)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 確率解析 / 微分方程式 / 作用素論 / 数理物理 / 確率偏微分方程式 / ホワイトノイズ / アンダーソンモデル / スペクトル |
研究実績の概要 |
本研究はランダムなシュレディンガー作用素に関する様々な問題に確率論的立場から取り組むことを目的としている。本年度は正則性の弱い係数を持つ確率偏微分方程式に対する Hairer の正則性構造の理論による定式化を本研究代表者の所属研究科の修士課程の学生である舩橋巧と共に舩橋の修士課程における研究として追及した。具体的にランダムなシュレディンガー作用素の研究に関形する方程式としては円上の放物型 Anderson 模型でポテンシャルを時空ホワイトノイズとするものを扱った。しかし配位空間を1次元とするシュレディンガー作用素に対しては常微分方程式論による研究手法が発達しているので、今回の結果からランダムなシュレディンガー作用素に関する新しい結果を導出することは難しいかもしれない。更にシュレディンガー作用素に周期的境界条件が課せられている場合だけ考えていることが制限になっている。従って今のところ大事なことは大きい枠組みで確率偏微分方程式を扱う新しい手法が出来たことだけであり、応用として得られた結果で注目されているものはランダムなシュレディンガー作用素からは離れて、KPZ方程式など、非線形偏微分方程式の定式化である。また Hairer の理論は大掛かりな道具を用いる難解な理論であるが、比較的理解しやすくて、似た結果を得られる理論として最近 Gubinelli, Imkeller, Perkowski によるパラコントロール理論が始められた。この方面では Allez, Chouk が2次元トーラス上の空間ホワイトノイズをポテンシャルとする Anderson 模型の定式化を行っているので今後この模型のスペクトルの性質をもっと明らかにする研究が考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
最近の確率偏微分方程式に対する Hairer による正則性構造の理論や Gubinelli, Imkeller, Perkowski によるパラコントロール理論について理解することが出来たから。
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今後の研究の推進方策 |
最近の確率偏微分方程式に対する Hairer による正則性構造の理論や Gubinelli, Imkeller, Perkowski によるパラコントロール理論などを応用することによってホワイトノイズを様々な係数に含むランダムシュレディンガー作用素を定式化してそのスペクトルの性質を出来るだけ明らかにする研究を進めたい。
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