状態空間は完備可分シグマコンパクト距離空間とし、その上の確率分布の空間に弱位相を、連続関数の空間には広義一様収束位相を導入する。このとき、シュレディンガー汎関数方程式の解の空間変数、核関数および周辺分布に関する連続性を証明した。特に、状態空間がコンパクトな場合には、シュレディンガー汎関数方程式の解となる直積測度を構成する各々の測度が空間変数、核関数および周辺分布に関して連続であることも示した。研究代表者は、本研究活動の一環として、すでに、同様の研究を状態空間がシグマコンパクト距離空間およびコンパクト距離空間の場合に、確率分布の空間に強位相を導入して証明している。この研究はその延長線上にあるものである。 上記研究の応用として、ユークリッド空間上に与えられた確率測度に対してある凸関数でそのモーント確率測度が元の与えられた確率測度になるものを構成した。証明方法は、ブラウン運動に対する確率最適輸送問題に関するある種の凸凹変分問題を考え、その最小解の存在と緊密性を示し、収束する極限を取り出すとその極限が求めるモーメント確率測度であるというものである。ここで、鍵を握るのは、考えている確率最適輸送問題がブラウン運動に関するものであり、その解を記述する関数が半凸関数であることである。これは、確率最適輸送問題を記述する核関数がブラウン運動の推移確率確率関数、すなわち、ガウス核であり、その対数が空間変数について凹な2次関数であることに起因する。
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